まもなく佳境へ

ぐずついた天気の合間をぬって
湯野ではアプローチのスロープ工事が行われています。
 
 
 
 
 
 
手前にカーブする通路は駐車場からのアプローチ。
後方の直線上の通路は大浴場との連絡通路です。
 
アプローチの通路は松の大樹から視点を大きく展開させながら
温浴施設の玄関正面に向かう動線になっています。
 
 
 
 
 
 
通路には高低差があるため、雨や冬場の雪、そして凍結を考慮して
滑り止め効果のある刷毛引き仕上です。
 
通常は仕上面より側面の型枠を高くするので
端部まで刷毛引きの線をきれいに伸ばすのは難しいのですが
無理を承知でお願いしたところ、型枠を変化する仕上レベルに揃えてくれました。
 
おかげで、際まできれいなラインが伸びたすっきりとした表情が出ています。
 
 
 
 
 
 
室内では大工工事が一段落し、塗装工事に進んでいます。
しっくい塗料が塗られた室内には明るく開放的な雰囲気が出てきました。
 
 
 
 
 
 
手前では建具枠周りのモルタル詰め作業、
屋外では造園職人による造成が同時進行で行われています。
 
完成目標まで残り3週間、
ここから先は日々様々な業者が入り乱れる怒涛の仕上工事に突入していきます。
 
 

パルテノンのオマージュ

道路から見た施設入口の風景
 
手前には既存施設で使われていた太い門柱、
奥に木造の新築棟が斜(はす)に構えて見えています。
 
ギリシャのパルテノン神殿と比べるのはおこがましいですが
あえて角度を振ることで、薄味の建物に立体的な表情を与えています。
 
 
 
 
 
 
 
建物の手前の地面に見える白い線はアプローチとなる通路
緩やかにカーブしながらエントランスの正面に向かっていきます。
 
湯野の温浴施設では、内装の造作工事も後半に入り
来週から外構部分の下地工事に進む予定です。
 
 
 

主役と脇役

湯野の温浴施設では足場が解体され
ついに増築棟が外観の姿が現れました。
 
真ん中の松の大樹をシンボルツリーと見立てて
その両側の既存大浴場と増築棟がこちらに手を広げるように配置され
その後方には山並みが重なるように続いています。
 
増築棟が建つことによって明確になったランドスケープは
自然を基点にしたギリシャ的な構成にも似ています。
 
主役はあくまでこの土地がもつおだやかな自然の風情、
建築はそれを引き立てる名脇役をめざします。
 
 

浴室 左官仕上げ工事

年が明けて、湯野の現場では浴室の左官仕上げ工事が始まりました。
 
北向きの貸切風呂 月は窓の高さを低く抑えながら
全開する窓によって外庭とつながる落ち着いた空間です。
 
 
 
 
 
 
腰壁の左官仕上げ、その上の杉板の壁が貼られたところ
 
こちらはモノトーンの明るさを抑えた空間、
天窓からの光による陰影が仕上げを繊細に映し出すことを意図しています。
 
 
 
 
 
 
貸切風呂 壺の方は、円形浴槽を左官で仕上げています。
壺をイメージした平面と縁回りは丸みのある形で
手仕事で生み出されるやわらかい表情を引出すため
浴槽全体を骨材入りの人研ぎ仕上げとしています。
 
 
 
 
 
 
壁の左官仕上げ
こちらはやや明るめのベージュがかった灰色の壁に仕上げていきます。
 
 
 
 
 
 
 
貸切風呂 月の床仕上げ工事
壁と同様、明るさを抑えた黒っぽい豆砂利入りの洗い出し
 
 
 
 
 
 
左官仕上げがほぼ仕上がりました。
 
やや露出を絞って撮ったため暗く見えますが
天窓によって陰影が感じられる空間になっています。
 
 
 
 
 
 
人造石による浴槽の縁と洗い出しの床
黒を基調とし、数種類の骨材を加えることで
かすかに表情が浮かび上がるような表情が見られます。
 
 
 
 
 
 
壺の方も、最後の床仕上げが行われました。
 
こちらは一転して明るい色の床仕上げ
白を基調とした中に、同じく数種類の豆砂利で表情をつくります。
 
 
 
 
 
 
約2週間かけて浴室の左官工事がほぼ完了。
あわただしい工程の中、
枠回りとの取合いや寸法の調整などいろいろ苦労はありましたが
もっとも重要な空間は、なんとか形になってきました。
 
 

湯野温浴施設 木工事進行中

湯野の温浴施設は絶賛、大工工事が進行中
年明けから始まる浴室の左官工事に間に合わせるため
浴室の工事が佳境を迎えています。
 
 
 
 
 
 
「月」という名の貸切風呂では
8畳ほどの空間に大工さん2名で防水シートと胴縁の取付中
 
 
 
 
 
 
天窓から差し込む光
 
北向きの風呂の室内はあえて閉鎖的で暗めにして
天窓からの光が印象的な空間になるよう設計しています。
 
 
 
 
 
 
もう一つの貸切風呂 「壺」
こちらは庭に繋がる半露天にもできる開放的な浴室
 
2つの円が重なるようなかたちの浴槽は
茶道裏千家で使われるツボツボ文様から引用されています。
 
 
 
 
 
 
2つの貸切風呂に使われる壁と天井の杉板
 
黒く着色されたほうは「月」の壁・天井用
生地仕上げの方は「壺」の天井用
 
もともとは予算の都合で節のある板を使うはずだったのですが
材料手配の都合で、節のない上物が入ってきました。
 
いずれもとても綺麗な表情です。
 
 
 
 
 
 
今年の工事は今日が仕事納め
工期が短い中、怒涛の勢いでここまで進んできましたが
年が開けると、さらにボルテージが上がっていきます。
 
自分の仕事として、これまでにない厳しいスケジュールですが
それでも、この場所の個性が少しでも引き出されるように
そして、時間を忘れてしまうような心地よい場所になるよう
引き続き取り組んでいきます。
 
 
 

湯野温浴施設 造作工事進行中

水平に伸びる屋根の軒先
軽ワゴンの長さがおよそ3.4mなので
かなり横長のプロポーションであるのががわかります。
 
棟上げが終わり、屋根工事や室内の造作工事が始まっています。
建物が仕上がれば見えなくなってしまうものばかりですが
実は建物の性能を左右するとても大事な工事です。
 
ここでしっかりチェックが建物の寿命にも関係するため
現場とコミュニケーションしながら、チェックしていきます。
 
 
 
 
 
 
屋根下地の防水用ルーフィング
素材の確認やシートの重ね代、傷がないかなどチェックを行います。
 
 
 
 
 
 
軒先の唐草(先端の板金材)とルーフィングの取合い
 
雨は基本的に上から下に流れるので
部材は下から上へ重ねていきます。
 
なので、唐草が下になり、ルーフィングがその上に重なります。
たまに唐草が上に取り付けてあるのを見かけることもありますが
基本はこの写真のようになるべきではないかと思っています。
 
 
 
 
 
 
垂木と垂木の間には断熱材が充填され、
その上には30ミリの通気用の空間を確保、当事務所の標準納まりです。
 
経験的にもこの隙間を設けることで
屋根からの暑さをかなり軽減することができます。
 
 
 
 
 
 
通気用の隙間は屋根全面に設けられており
このあと穴の空いた面戸板をかぶせて仕上げていきます。
 
 
 
 
 
 
耐震性をしっかり確保するための金物が取付けられた段階で
構造事務所の金物検査を行いました。
 
今回、梁と柱の接合部が表しになる箇所が多いため
接合部がすっきり見える金物工法を採用しています。
 
写真の部分は壁に隠れますが、
梁と梁をつなぐ接合金物、柱と梁を固定する接合金物など
構造図の仕様と合致しているか照合していきます。
 
 
 
 
 
 
こちらは柱の足元に取付けた引き寄せ金物
地震時には、特に建物の出隅部分に大きな引き抜き力がかかるので
強度のある金物でしっかり補強します。
 
 
 
 
 
 
建物玄関側から受付となる空間を見たところ
 
天井は貼らずに梁や構造用合板がそのまま表しになるため
屋根を仕上げる前に照明器具などの配線が設計図通りの位置に
確実に配線されているかどうか、1箇所1箇所確認します。
 
 
 
 
 
 
カフェ兼ラウンジ部分
 
庭に面するこの部分も今見える木材がほとんど表しになります。
ここに木製建具がはまって開放的な空間になる予定です。
 
 
 
 
 
 
円形の浴槽がある貸切風呂
 
土間の防水や壁の耐力壁、仕上げ材を貼るための下地材など
少しずつ、形が整ってきました。
 
外に見える青い柱は目隠し壁の下地となるもので
浴室から庭越しに湯野の山並みや空が望める予定です。
 
 

湯野温浴施設 建方工事

湯野温浴施設では、建て方工事が始まりました。
空に伸びるクレーン車のアーム、周囲に響く乾いた木槌の音。
建築をつくるライブ感があふれていて、何度見てもワクワクします。
 
それと同時に、
模型やパースで検討してきた形や環境とのバランスなど
イメージ通りにできているか、ドキドキする瞬間でもあります。
 
 
 
 
 
 
こちらはカフェも兼ねたロビー空間
 
910ミリピッチで連続する登り梁は
そのまま仕上げとして空間に表情を与えます。
 
 
 
 
 
 
庭に面した軒下空間
2m近く伸びた屋根が室内と庭を緩やかにつなぎます。
 
アプローチとなるこちらの空間でも
25mの奥行き全面に整然と垂木が並び、空間にリズム感を与えます。
 
 
 
 
 
 
今回の建て方では天候が安定していないため
天気予報を睨みながらの工事になりました。
 
この日も午後から雨が降り出したので
現しの木材が雨に濡れないよう急いでシートで覆ってもらいましたが
その白いシートが光を拡散し、なんとも風情ある軒下空間が現れました。
 
 

湯野温浴施設 基礎工事進行中

湯野温浴施設は11月初めから工事がスタート、
来年3月の完成を目指して、急ピッチで工事が進んでいます。
 
中央にそびえる松の大樹をはさんで
左手の既存大浴場はリニューアル工事が進行中、
右手の新築棟はわずかに基礎の型枠が垣間見られます。
 
 
 
 
 
 
新築棟の基礎鉄筋工事
横幅26mの細長い平面に対し、
3.6mグリットで地中梁が組まれて地盤の圧力に対応しています。
 
 
 
 
 
 
貸切風呂の円形浴槽
1.4mの円形を二つ重ね合わせたような浴槽のため
曲面の型枠で正確に型を起こしています。
 
 
 
 
 
 
こちらは軒下に設けられた足湯の型枠
 
設計期間がかなり短かったため、
幅や深さ、軒下の柱との取合いなど、細かい寸法を改めてチェックしなおし
現場にて施工業者と調整しながらひとつひとつ形をまとめてきました。
 
 
 
 
 
 
床のコンクリートが打ち上がったところ
 
デザイン上、基礎はできるだけ低く抑えたいところですが
土砂災害なども想定し、床は地面から30センチ立ち上げ
床下のない土間仕上で、万が一の災害後も修繕の負担が軽減されるよう配慮しています。
 
 
 
 
 
 
円形の浴槽もきれいに打ち上がりました。
 
二つの円形は深さが2段に分かれていて
庭側が全身浴、手前に半身浴ができる形になっています。
 
半露天の庭や空とつながる空間で
ゆったりと過ごせる時間をイメージしています。
 
工事が始まってあっという間の1ヶ月でしたが
来週にはいよいよ骨組みの建て方が始まる予定です。
 
 

左官仕上の打合せ

湯野の温浴施設は工事予算がまとまり
工事内容の詳細を適宜決めていく段階に入りました。
 
今日は貸切風呂の左官仕上について、
長門の福田左官店まで打合せに行ってきました。
 
写真のサンプルは浴室の床に使用を予定しているもので
洗い出しの砂利の大きさや密度、モルタルの濃淡などを確認しています。
 
 
 
 
 
 
こちらが空間イメージ
モノトーンのやや薄暗い空間に天窓から光が降り注ぎ
静謐で繊細な素材感を引き立てるイメージです。
 
 
 
 
 
 
 
こちらはもう一つの浴室に使う予定の人研ぎ仕上のサンプル
 
このサンプルでは黒っぽいガラスが混ぜ合わされていますが
実際には白い珪砂のみで仕上げることを考えています。
 
 
 
 
 
 
こちらが空間イメージです。
 
先ほどの浴室とは対照的な明るく開放的なイメージで
浴槽も丸みのある柔らかいデザインです。
 
このイメージをもとにサンプルを製作し、
工事に向けて調整していきます。
 
 
 

引き続き、減額調整

湯野の温浴施設は、引き続き減額調整を進めています。
今日は、外構の舗装や植栽の内容見直しを行いました。
 
このプロジェクトは温泉施設がメインの機能ですが
広い敷地と湯野の里の環境が一体となる風景がもう一つの主役と捉えています。
 
コストをセーブしつつも、緑豊かで風情のある風景となるよう
試行錯誤を重ねながら調整を図っていきます。