生野屋の家、プレカット打合せ

生野屋の家、プレカットの打合せです。
工事監督、大工、木材業者、プレカット会社に集まっていただき、
最適なフレーム構成の最終確認を行っていきます。
 
 
 
 
模型と照らし合わせながらのチェック。
 
今回は屋根の傾斜に合わせた勾配天井なので
普通は天井に隠れる梁がいろんなところに露出してきます。
露出する梁の位置やレベル、見せ方などを模型で共有し、
仕上げや寸法をまとめていきます。
 
 
 

ヘリテージマネージャー養成講座1

建築士会が主催するヘリテージマネージャー(HM)養成講座。
当事務所でも実践してきたリノベーションや再生、
まちづくりなどを強化する目的もあり、講座に参加しました。
 
HMとは、
地域に眠る歴史的建造物の価値を見出し、
保全活用をマネージメントする専門家のことを言います。
 
10回シリーズで県内の歴史的資産の視察や座学を通して、
HMとしての専門的知識と技術を習得していきます。
1回目のレポートは、萩市の歴史まちづくりについてです。
 
 
 
 
昨年オープンした明倫学舎。
幕末の藩校跡地につくられた明倫小学校の老朽化した校舎を改修、
萩の歴史資料を展示、情報発信する施設に生まれ変わりました。
講座では、構造補強など、技術的な改修のプロセスを学びました。
 
 
 
 
雨漏りしていた屋根も下地を補強して葺き替え。
赤い色の瓦はフランス瓦で、
当時から耐震性を考慮して、軽量化できるこの瓦を使ったそうです。
 
 
 
 
フランス瓦の実物。
復元が難しい瓦のため、現品を大切に再利用したそうです。
 
 
 
 
展示室の一部は、小屋裏の骨組みを現しにしています。
洋小屋のトラス部材はやや細みですが、
これも屋根の軽量化のおかげのようです。
 
 
 
 
こちらはイスカ継ぎという伝統技法で
天井の竿縁の継手に使われているものです。
 
今回の改修を通して見えてくるのは、
過去の姿を単にリフレッシュするだけではなく
その奥に潜んだ先人の知恵や技術を認知し、未来に受け継いでいくこと。
それは、
現代の建築やデザインが失ったスピリッツを改めて発見することでもあります。
 
 
 

生野屋の家、地鎮祭

生野屋の家で地鎮祭が行われました。
 
最近は、神社でお祓いをしてもらう簡易式が多いのですが
櫛ヶ浜の家に続き、今回も現地に神主さんをお呼びして行われました。
 
祭壇には、米、塩、魚、野菜、果物などが飾られ
晴れやかで厳かな雰囲気の中、とり行われました。
 
神主さんのお話では、
藤原京の時代にすでに地鎮祭の痕跡が見られるそうです。
千年以上の歴史があることになりますが
どんなに時代が変わっても、伝統が受け継がれてきたことはなんとも興味深い。
 
 

駅前図書館、完成見学会

周南市と内藤廣建築設計事務所のご厚意により
建築士会の完成見学会が行われました。
 
 
 
 
 
色温度を抑えた温かい光、
無機質でドライだった駅前に潤いを与えています。
 
 
 
 
 
1階室内はまだがらんどうの状態ですが
奥にスターバックスのカフェ、手前にTSUTAYAの書籍物販コーナーが入り
まちに解放されたにぎわいの基点としての役割を担います。
 
 
 
 
 
スターバックス側からの見返し。
全長65mの長い長い空間は、建物というよりまちのスケールに近い。
スタイリッシュな空間に黄色いボックスがアクセントになっています。
 
 
 
 
 
天井から吊り下げられた行灯状の照明は
内藤廣建築設計事務所のオリジナルデザインです。
 
 
 
 
 
1階の天井高はかなり高く、3.85mあり
天井には全面に周南市鹿野の杉材が使われています。
 
次年度以降、駅前広場が完成したら
ガラス窓を通してまちと一体感のある空間がひろがることでしょう。
 
 
 
 
 
上階へのメインアプローチとなる大階段。
階段脇、吹抜けの壁面は、TSUTAYAで日本一高い本棚となるそうです。
 
 
 
 
 
2階、図書館の書架部分。
本棚は天井いっぱいまでありますが、所々がトンネル状に抜けていて
回遊しながら本棚をめぐることができるようになっています。
 
 
 
 
 
図書室には駅を見下ろせるスペースも設けてあります。
電車待ちの時間、しばしここで本を読んだり、
親子で新幹線を眺めたりする光景が目に浮かびます。
 
 
 
 
 
図書室の西側は駅の自由通路にもつながっています。
シースルーのオープンな空間なので、図書室だけでなく
さまざまな市民活動やイベントにも活用できそうです。
 
 
 
 
 
自由通路側から見た2階図書室
電車を降りて帰宅する人が気軽に立ち寄れる敷居の低さが感じられます。
 
 
 
 
 
3階の屋外スペースと吹き抜け。
吹き抜けを通して、1、2、3階が一体につながっています。
 
 
 
 
 
2、3階のオープンデッキ。
まちにおおらかに開いたオープンスペースです。
来年以降はツリー祭りのベストポジションにもなりそうです。
 
 
 
 
 
30年以上、停滞が続いてきた徳山駅前商店街、
紆余曲折を経てようやく完成した市民の居場所です。
 
交流の種として生まれたこの場所は
これから周南の市民力によって育てられていくことになります。
 

温泉とまちづくり、そして焼き鳥

長門市で開催されたJIA中国支部大会、
湯本温泉の活性化策を拝聴してきました。
 
手前にうっすらと見える白髪の紳士は名誉会長の出江寛氏、
カフェやライトアップなど新たに展開されるデザインに対し
京都のような陰翳や色気が必要や!と檄をとばされました。
 
 
 
 
 
夜は長門の名物、焼き鳥の店をハシゴ。
写真は老舗、こうもり。
 
長門はもともと養鶏が地場産業として根付き
焼き鳥の新鮮なネタがすぐに手に入るためか
小さな町にいくつもの焼き鳥屋が存在します。
そのどれもが低価格でかつおいしい!
子供からお年寄りまでが楽しめる、まさに長門のソウルフードです。
 
 
 
 
どれもとにかくウマいんですが、半熟に焼いたタマゴは逸品です!
 
まちづくりに話を戻すと、
湯本温泉では温泉街を流れる川と萩焼を軸に考えているそうですが
長門を語るなら新鮮な魚とこのやきとりも外せないでしょ!
 
偶然ご一緒した長門市まちづくり担当の元ラガーマンと
まちづくりからラグビー談義まで、とにかく盛り上がる長門の夜でした・・・
 
 

櫛ヶ浜の家、足場解体

足場が取れた道路側の外観。
 
着工から10ヶ月、家揚げや構造補強、屋根の葺き替えなど、
職人さんたちの数え切れないほどの奮闘がありましたが
再び、まちにその姿を現しました。
 
 
 
 
2階正面外観。
雨戸と板壁はまっさらな漆喰壁に化粧直しされ、
準防火地域の規制に従って防火窓に取り替えられています。
 
 
 
 
 
玄関の格子戸も取り付け完了しました。
アルミ製の既製品ですが、竪格子は古い建物との相性も良さそうです。
 
 
 
 
 
 
座敷部分から玄関側の見返し。
 
手前左に1枚ほど構造補強の壁が追加されましたが
その他は、できるだけ既存の間取りを残しています。
 
玄関から漏れてくる光によって、
建物に生気が蘇ってきたような感じがしてきました。
 
 

週末連載 台湾42

迪化街の中心に位置する永樂市場
その周囲には計画的に作られたオープンスペースがあります。
 
このスペースは周辺のまち並みと適度な間合いをつくり
永樂市場の歴史的外観をシンボライズすることにも貢献しています。
 
歴史的資産をしっかり生かして
現代の都市生活にゆとりと味わいを生み出すこの仕掛け、
とてもクールです。
 
 
 
 
米粉湯などの老舗が並ぶ南側には樹木とベンチが設えてあります。
 
美味しい店、広場、木陰、ベンチ
最強の組み合わせが都市の中に「幸せな空間」を生み出しています。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、内外装工事

櫛ヶ浜の家、既存棟と増築棟のそれぞれに工事が進んでいます。
 
既存棟道路側の屋根、
破風を漆喰で塗り込んだ姿は改修前の意匠を引き継いでいます。
 
 
 
 
下野の屋根、水切り瓦の継ぎ目も改修前の姿に合わせ
ひとつひとつ漆喰で固めています。
 
 
 
 
玄関引戸のサッシュ枠がようやくはまりました。
 
準防火地域に対応した4枚引戸の防火窓はないのですが
町屋らしい間口広さを生かすため、防火袖壁とサッシュラインのセットバックで
延焼ラインをかわし、なんとか元の意匠と機能を両立しています。
 
 
 
 
 
既存棟から増築棟への渡り廊下。
 
ほの暗い既存棟から明るい空間へ
まるで100年ほどの時間をタイムスリップする気分です。
 
 
 
 
敷地両側に隣家が迫る密集市街地ですが
思いのほか、光が差し込む明るいリビングになっています。
 
 
 
 
 
天窓付きのキッチンも明るく、窮屈さを感じさせません。
 
 
 
 
増築棟西側外観。
増築棟はダークブラウンの波板張り。
その奥には既存棟の2階屋根が垣間見えています。
 
完成までもう一息、残工事が進んでいます。
 

内田さん、大津島の魅力語る

コミュニティFM、渋谷のラジオ
月曜放送の代官山アートストリートに内田鋼一さんが登場、
番組後半で大津島のプロジェクトについて触れています。(視聴はこちらから)
 
潜在力を秘めた大津島の魅力を内田さんの審美眼で語ってくれました。
今後の展開が楽しみです!