建具用の板選び

大神の家に使う玄関引戸用の板を選びに来ました。
 
今回は玄関戸も杉のヌキ板を使うことにしました。
 
化粧っ気のない、素っぴんの肌のようなイメージですが
思い切って、あるがままの表情を生かしてみます。
 
上の写真は、引戸の屋外用に選んだもの。
雨風や紫外線にさらされるので、耐久性を重視して水に強い赤身を選びました。
 
 
 
 
 
 
こちらは、玄関の内部側用。
室内の壁との調和を意識して
比較的柔らかい表情のものを選んでいます。
 
建具にこれほど粗い表情のものを使うのは初めてですが
既製品にはない新鮮な雰囲気になることを期待します。
 
 

板壁の仕事ぶり

大神の家では室内の仕上げ工事が続いています。
壁の板貼りがほぼ終わり、天井仕上げに進んできました。
 
 
 
 
 
 
天井板が壁に食い込む部分
壁と天井の取合う部分につける回縁を省いたため
壁板と天井板が直接噛み合う、逃げのない納まりです。
 
そのため、壁と天井を隙間なくミリ単位で合わせる必要があります。
 
板は一枚一枚、厚みの違いや反りなどで凹凸があるため
壁に合わせて切り込む形状を慎重に測っています。
 
 
 
 
 
 
鉛筆で印をつけた部分をさらに削り込んで
壁の形に合わせていきます。
 
素材はざっくりとした仕上げのヌキ板ですが
加工にかなりの手間が加わることによって
それがそのまま細部の緊張感に現れていきます。
 
 

手間の蓄積について

大神の家、2階室内の板貼りが進んできました。
 
今日も現場はかなり冷え込んでいますが
大工さんが板の並びを考えながら一枚一枚吟味して丁寧に貼ってくれています。
 
手間を省いて早く仕上げるのが主流の時代ですが
だからこそ手間暇かける仕事には意味があると考えます。
 
すぐに完成する家にはない手間の蓄積は
住むほどに味わいを増してくれることと思います。
 
 

大神の家2 板壁仕上げ

大神の家では室内の板壁仕上げ工事が始まっています。
 
本来下地用に使うヌキ板によるざっくりとした仕上げは
新建材のような表面的なキレイさとは対極的で、ちょっとワイルドです。
 
山小屋のような表情も連想させますが
開口部まわりは意識的にすっきりと納めてもらい
壁が切り取られているイメージをクリアにしています。
 
 
 
 
 
 
開口部の上側は壁勝ちにして窓枠を目立たないように納めています。
 
 
 
 
 
 
逆に開口部の下側はホコリ溜りになりやすいので
超仕上げの板材を枠勝ちにして掃除がしやすいように配慮しています。
 
ざらつきのある壁板との違いがわかるでしょうか?
 
 
 
 
 
 
壁の表情
 
仕上げ用の板ではないので木目も節もラフなところがあり
留めていたバンド部分の日焼け跡もあるがままに使っています。
 
粗めの素材に対し、大工さんの仕事はとても丁寧です。
この粗めと丁寧の掛け算が、常識的な壁とは違う
新しい空気感を空間に与えてくれると期待しています。
 
 

時をつかまえて

あけましておめでとうございます
 
正月休みが終わり、今日から始動いたしました。
昨年末には「時間の価値」について長々と語ってしまいましたが
気がつくと、令和もすでに4年目です。
コロナ禍が続く中で、今年もあわただしく時が過ぎていくことと思います。
 
少しでも、その時をつかまえてじっくり味わうことができるように
今年も、豊かな時間を過ごせる場の模索を続けて参ります。
 
本年もよろしくお願いします。