
設計の師匠である北山孝二郎氏による草津温泉の再整備事業を最初に視察したのはコロナ前の2019年。あれから7年、新たに完成したプロジェクトを視察するため、再び草津にやってきました。
上の写真は草津温泉の中心に位置する湯畑地区、もともと車道や駐車場が広がっていた場所は、人間のための広場に改修され、観光客がゆったりと過ごせる場所に生まれ変わりました。
右奥には湯もみショーで有名な熱乃湯、左奥には明治時代に存在した御座乃湯が新たに整備されました。

湯畑地区から路地を歩くこと数分、江戸時代から湯屋が存在していた地蔵地区。ここにも広場に面して貸切風呂や足湯などが整備されています。
草津温泉の中にあるいくつかの地区を少しずつリニューアルし、その地区と地区との間にある路地を修景することで、点と点を線で結び、いくつかの線をつないで面に広げる。この地道な整備により15年以上の歳月をかけて、低迷していた温泉街は息を吹き返し、年間400万人が訪れる一大観光地に復活しました。

地蔵地区から奥の高台へ新たな動線として階段が整備され、湯畑から新たなスポットへ回遊できるようになりました。

高台を2019年に視察した際の写真。まだ造成が始まったばかりの状態でした。

造成中だった高台の現在の姿。眺めのよいカフェと漫画堂(図書館)が整備され、日帰りや連泊など、様々な観光客に多様な楽しみ方ができるようになりました。

整備前の高台広場を下側から見たところ(2019年)

整備後はカフェの前に広がる緑豊かな広場が広がっています。

昨年完成した草津温泉スキー場の中心となるロッジ。大屋根とガラス張りのランドマーク的な外観です。

全面ガラス張りのレストランがゲレンデに大きく開いています。

大屋根は温泉街の木造建築に合わせて木の骨組みで作られ、草津温泉に整備された他の施設と共通する木造というデザインコードで統一されています。
草津温泉の景観や多様な路地という特徴を生かしつつ、そこに新たな施設を挿入し、回遊できる動線を加えて温泉全体の魅力を高めた手法が光るリニューアル事業でした。

