大津島さくら茶会

大津島の石柱庵にて
徳山高専茶道部によるさくら茶会が開催されます。
さくらとともにのどかな春を感じる大津島へ、是非お出かけください。
 
詳しくはこちらへ
 
<アクセス>
徳山港より巡航船で約20分、フェリーで30分
瀬戸浜港より徒歩15分
刈尾港から35〜45分
 
 
 
 

内田文雄先生、講演会

山口大学の内田文雄先生の講演会を聞いてきました。
 
山口大学に赴任されてからの18年の間に
様々な場面でお会いする機会をいただきましたが
今年度限りで大学を退官されるとのことで
最終講演を感慨深く拝聴しました。
 
演題は「耕すように、まちを育てる」
内田先生らしく、ある意味、無骨で泥臭く取り組んできた
建築によるまちづくりの実践をお聞きすることができました。
 
 
 
 
 
象設計集団時代、直接担当された名護市庁舎
 
私も5年前に実際に市庁舎を見学し、
市民に開かれた市庁舎の清々しさを実感しましたが
今回、ご本人から直接お話を伺うことができました。
 
 
 
 
内田先生はこの二つの考えをもとに
一貫した立場で建築に取り組んでこられました。
 
建築というと、
見た目のデザインや華々しい話題性がもてはやされがちですが
本当はもっと大切なことがあるのだという思いが凝縮しています。
 
地域社会に根を生やし、
そこに住む人が元気になり、育っていくための拠り所
 
先生の哲学が改めて胸に刺さりました。
 

週末連載 台湾44

台湾一の観光地、九份
夕暮れ時、漆黒の建物に赤いランタンが強烈な印象を生み出しています。
 
世界のどこにもない固有の風景は、
「千と千尋の神隠し」のモデルとも言われ
日本からも多くの観光客を引きつける現代の聖地に昇華しています。
 
 
 
 
 
殺人的な混雑はまるで昇り竜!
 
日本のGWだったこともあり、
聖地は沸騰し、驚異的な磁場を生み出していました。
 
 
 

ヘリテージマネージャー養成講座6

HM養成講座、宇部編
山口大学感性デザイン工学科の内田文雄先生に
「建築が生き続けるということ」というテーマで講演いただきました。
 
 
 
 
 
人口減少に伴う空き家の増加、公共施設の老朽化など
建築を取り巻く様々な問題が浮かび上がる中
質の高い建物を後世に伝え残していくことが課題になっています。
 
建物はまちや人の歴史や記憶を繋いでいく貴重な存在です。
しかし、使われなくなった建物をただ単に保存するには大きなコストを伴います。
そのため、建物を生かし続けて残していく方策が必要になります。
 
講演では、内田先生の実践をもとに
生き続ける建築について、貴重なお話をいただきました。
 
 
 
 
 
講演の後、
重要文化財となった渡辺翁記念館など、建築家、村野藤吾の作品を視察。
 
 
 
 
 
エントランス脇の壁には炭鉱で発展した宇部を象徴する
炭鉱労働者のレリーフが刻まれています。
 
 レトロな雰囲気のエントランスは
映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」のロケにも使われました。
 
 
 
 
 
ロビーから2階天井を見上げたところ
手すり壁、柱、天井の照明形状など
力強さの中にも優美な表情も併せ持つ意匠にまとめられています。
 
 
 
 
 
階段ホール吹抜けのガラスブロック
改修時に新しいものに変わっていますが
複雑な形状が光を乱反射させながらドラマチックに広がっています。
 
 
 
 
 
2階ホワイエの列柱空間
茶色の大理石と磨き込まれたチェック模様の床が華やかです。
 
 
 
 
 
ホール内部を舞台から臨んだところ
村野特有の優美な曲線が多用された空間は、音響的にもすぐれています。
 
 
 
 
 
ホール背面、円弧壁の連続
舞台からの音をこちらで拡散させる効果を意匠とバランスさせています。
 
 
 
 
 
天井の造形とライティング、間接光が優美で美しい。
 
 
 
 
 
照明器具も村野によるオリジナルデザイン
一つ一つ丹念にデザインされています。
 
 
 
 
 
貴賓室の床
4色の人研ぎ仕上げに大理石がはめ込まれたコンポジション
 
村野は随所に装飾的な意匠を施していますが
そこには、建築は合理性だけでなく、人の心に響くものでなければならない
という彼の哲学が深く刻み込まれているように思います。
 
 
 
 
 
回り階段、巾木端部のディテール(丸く盛り上がっている部分)
ほとんど人が気づかないような箇所も
細心の注意を払ってデザインされています。
 
 
全体の空間構成から細部の意匠に至るまで
ひとつとして手を抜くことなく、デザインされたこの建物。
奇跡的に戦災を免れ、その後も市民に愛されながら現役であり続け
これからも長く長く生き続けていくことでしょう。
 

生野屋の家、床暖房工事

アトリエに設置された床暖房のパネル
 
1日のうちで最も長い時間を過ごすアトリエ。
天井も高く、空間も大きいため、冬の寒さに備えて床暖房を設置。
できる限り、絵画製作に集中できる室内環境を目指します。
 
 
 
 
 
外回りでは、外壁の波板の施工が始まっています。
屋根との取り合いもできるだけ簡潔にまとめて
無駄のないすっきりとした納まりにしています。
 
 

大津島ミーティング、島麦酒とともに

内田鋼一さんを囲んでのミーティング。
今回もお忙しい中、周南まで足を運んでくださり
秋に向けて、イベントの構想などを話し合いました。
 
 
 
 
会席では今年完成した島麦酒をみんなで賞味。
 
大津島のスダイダイを使った地ビールで
メンバーの松田翔剛さんがプロデュース、ラベルデザインを行ったものです。
 
味はやや濃厚でスダイダイの酸味と淡い苦味がマッチしていて
ベルギービールのように風味を楽しみながら飲みたい逸品です。
 
 

ヘリテージマネージャー養成講座5

HM養成講座、今回は岩国の城下町の取組みを学びました。
 
岩国城は、関ヶ原の合戦以後、毛利氏の国境の守りとして
江戸時代には珍しく山城としてつくられました。
 
しかし、岩国城下の平地が狭いため、
錦川を挟んだ対岸に城下町が整備されました。
 
そして、家臣が錦川を渡って城に通うために錦帯橋がつくられた
など、その成り立ちを初めて知ることができました。
 
 
 
 
 
 
城下町は現在も江戸時代の町割りがあまり崩れることなく残っており
歴史上の町割りの中に、旧家も数多く存在しています。
 
 
 
 
今回、講義ののちに旧家の実測調査の実習を行いました。
5、6人のグループごとに、手分けして建物の各寸法を記録していきます。
 
 
 
 
外部につづき、室内の寸法も計測していきます。
メジャーで長い建物の両端を固定する係、途中の寸法を測る係、
寸法を図面に記入する係など、手分けをして測っていきます。
 
 
 
 
寸法を測りながら、この家の特徴となる意匠や空間もチェック。
この家には、隣家との間に立派な火袋がつくられていました。
 
火袋は、
かまどのある吹抜けの空間で炊事による熱気や煙を上部に逃がし、
火事が起こった際にはこの空間に火を閉じ込めて延焼を防ぐという
古人の知恵が詰まった日本建築固有の空間です。
 
京都の町家にはよく見られるものですが
この岩国のまちの中にその知恵が受け継がれているのは
とても興味深くもあります。
 
 
 
 
実測が終わり、間取りと各寸法を書き出したもの。
(山根建築設計事務所の山根さん作図)
 
 
 
 
こちらは2階に上がる箱階段を図にしたもの
(金子工務店の金子さん作)
いずれも力作です!
 
 
実際に改修を行う際もこのような実測を行い
建物の全容を明らかにすることが求められます。
 
新築に比べて、目に見えない手間がかかりますが
現代ではつくれない価値を将来に受け継ぐための大切な仕事です。
 
 
 
 
今回実測調査に協力いただいた中川家と中川さん。
古くからの家を現在まで大切に守っておられます。
 
HM講座では、この価値を未来にどう活かすか
その活用方法についての模索も学んでいきます。
 
 

生野屋の家、屋根工事

天候不順で延び延びになっていた屋根工事が始まりました。
 
 
 
 
屋根はガルバリウム鋼板の立平葺き。
幅39センチの長尺板を横方向にジョイントして一枚の屋根に仕上げます。
 
 
 
 
 
最近は、ジョイントの重ねが施工しやすい既製品もあります。
仕上がりもシャープですが、見た目がやや味にかけるのが難点のため
TIMEでは、手仕事の跡が残る、昔からのやり方でお願いしています。
 
それにしても
氷点下に近い寒さにもかかわらず、職人さん、素手です!
 
一箇所一箇所かしめていく作業はほとんど筋トレ、
それでも笑顔で答えながら淡々と仕事を進めていきます。
ほんと、頭が下がります。