相生の家、リフォーム開始

築40年を超えるとみられる中古住宅のリフォーム、
まずは改修部分を丁寧に解体し、スケルトンにしていきます。
 
今回のお題は、
東西2面の道路に接する敷地において、
車の乗り入れを考慮したアプローチと玄関の付け替え、
それに伴う平面構成の修正やキッチン、浴室のリフォームまでをカバーします。
 
工期は約5ヶ月、新築並みの長期戦です。
 

秋穂東の家、床仕上

LDKの間仕切、天井工事が完了し、床貼りが始まりました。
今回も床暖房下地の上に杉の無垢板貼りです。
 
和室奥からキッチンまで約14mの長いスペース、
古い家で柱の通りが悪いため、床の割付けも大変そうです。
 
リノベーションでは、設計と施工の連携により
常に臨機応変な対応が求められます。
 
 
 

秋穂の家、リビング造作

LDKの造作工事、天井のボード貼りが進んでいます。
写真奥のリビングスペースは天井裏に余裕があるため、
建主と現場確認を行い、工務店に協力いただき、
天井を一段高くすることになりました。
 
南庭に開くワンルームの広い空間にちょっとした抑揚が生まれ
広さだけではない、それぞれの居場所の拠り所になりそうです。
 
リノベーションは既存部分を解体してみないとわからないこともありますが
その分、当初の設計以上の豊かさを見つけられる可能性を秘めています。
 
 

河東の家、玄関ドア

河東の家で玄関ドアが新調されました。
密集するまちなか、家と家の隙間の奥にその入口はあります。
 
 
 
 
昨年リノベーションした右側の家に新調されたのは
 
ドアのまわりは新旧の波板によるパッチワーク、
このドアが新調されたことで、
ただのあばら屋がアーティステックな表情を現してきました。
 
 
 
 
ラワンベニヤという安い材料に対し、
レバーハンドルにはシンプルながら本物の質感を求めています。
 
日々、生活のオンとオフの接点となるこの部分には、
さりげなくもこだわりを貫いています。
 
 
 
 
玄関ドアを開けたところ。
機能的な要望によるポストやドアガードも汎用品の中から
できるだけ邪魔にならないデザインのもので合わせています。
 
 
決してビンテージにまでのめり込まず
しかし、茶道のようなバランス感覚をもって
同時代の汎用品を組み合わせて品格を高める。
 
建主との共同作業によって生み出されたこのドア、
取るに足らないはずのものに命が吹き込まれました。
 
 

秋穂東の家、進行状況

築42年の木造住宅のリノベーション、
梅雨の晴れ間をねらって屋根の葺き替え工事が行われています。
 
 
 
 
室内は改修部分の解体が終わり、
床下地や補強の耐力壁の取付が行われています。
 
間仕切りが整理されたことで、
リノベ後の空間が少し輪郭を見せはじめています。
 
 

カピンコーヒー、MITTAN展

カピンコーヒーで週末に開かれた展覧会にお邪魔しました。
 
 
 
 
 
 
 
民族衣装を提案するWITTANによる布の質感とカピンの空間が共鳴。
 
 
 
 
 
キッチンの小屋組に残された番付(骨組みの部材番号)
 
展覧会とは関係ないんですが、
改修されたこの空間に唯一残した古い家の記憶。
私にとって、この家の中で最もお気に入りの風景です。
 
 

何気ない風景@辻の交差点

これは看板建築だろうか・・・?
 
いや、正確に言えば違うのでしょうが
城柵のような看板によって重厚な建物が要塞化。
 
国道2号と315号が交わる県内屈指の渋滞スポットに
しっかりと対峙しています。
 
一方、アナログな平面看板のパッチワークは
社会の要請によって変化を重ねる動的なメディア建築でもあります。
 
 
 

住まいづくりの会視察2018

県内の建築士や工務店有志による建築視察、
2年ぶりの開催で、京都と奈良を中心に回りました。
 
住宅や店舗、そしてまちづくりまで、
新旧を問わず、新築、リノベーションなども網羅しました。
 
写真は藤井厚二設計の八木邸。
和洋のデザインを融合、空調設備のない時代に自然換気を極めた秀作です。
 
 
 
 
 
京都、南禅寺そばにある無鄰菴。
 
明治の元老山県有朋の別荘は、東山を借景に
琵琶湖疏水を利用した流れのある美しい庭と一体となった空間です。
 
 
 
 
 
南禅寺山門前、町屋をリノベーションしたブルーボトルコーヒー。
破れたジーンズのような表現は長坂常さんの真骨頂です。
 
 
 
 
 
こちらも京町家を改修したISSEY MIYAKE KYOTO
 
抑制された色合い、丁寧でデリケートな表現、
深澤直人さんの控えめながら繊細な仕事が光ります。
 
 
 
 
河原町にあるナインアワーズ京都
視察も兼ね、カプセルホテルに宿泊体験。
 
 
 
 
奈良のくるみの木プロデュースによる「鹿の舟」
中村好文さんによるやさしいデザインです。
 
 
 
 
奈良公園に近い志賀直哉旧居。
生活文化や知性に満ちた空間のアイディアが散りばめられた住空間です。
 
 
 
 
天理駅前広場コフフン
 
佐藤オオキによる古墳をモチーフにしたデザイン。
子供も大人も笑顔になる不思議な魅力があふれています。
 
 
 
 
 
奈良盆地を借景とした慈光院
 
床と屋根と柱のみ
何もないはずなのに、この上なく豊か、
茶人、片桐石州による奇跡のような空間です。
 
 
 
 
 
新神戸駅近くにある竹中大工道具館
 
大工さんにとってのワンダーランド、
日本建築の技の数々を堪能できるひとときです。