櫛ヶ浜の家、家揚げ工事2

基礎の根切(土の掘削)工事が進んでいます。
 
昨日は耐震補強設計をお願いしたグリーンデザインオフィスの岩田さんに
現場をチェックしていただきました。
 
今回の耐震補強設計では表層地盤の状態を調査した上で
地盤の固有周期に沿った上部構造の補強設計を行っています。
地震時には、地盤の状態によって大幅に建物の揺れが増幅される可能性があるため
そのリスクをチェックした上での設計が為されています。
 
4/9に放送されたNHKスペシャル「大地震 あなたの家はどうなる? 
〜”見えてきた地盤リスク”〜」でも詳しく放送されています。
これについても改めてブログで紹介する予定です。
 
 
 
 
 
さて、工事の方はというと
家が建った状態での基礎工事なので、掘削も人力なんです。
手間も時間も(そしてコスト)もかかる大仕事です。
 
 
 
 
掘った土はベルトコンベヤで外に待機するダンプに運ばれていきます。
 
 
 
 
建物外周部の状況。
布基礎のような役目をしていた長石が地面から切り離されています。
 
 
 
 
中央の柱の基礎もジャッキ4つで持ち上げています。
 
 
 
 
家にくっついていた造付収納も一緒に浮いています。
 
 
 
 
土台と長石の下が空いていて、建物が宙に浮いた状態です。
このあとさらに掘削を進め、家全体をジャッキアップして
鉄筋工事に移っていく予定です。
 
 
 
 
 

中央町の家、一年検査

下松の中央町の家で一年検査を行いました。
昨年の春にお引渡しをして一年が経ちますが
新築かと思うほど、とても丁寧に使っていただいています。
 
変わったのは、最初は少し赤味が強かった床の色が落ち着いてきたところ、
そして、家具や雑貨が入って雰囲気がアップしています。
 
 
 
 
リビングに続くこちらの部屋もとても有効だそうで
空間の広がりとくつろぎに貢献しています。
 
天井の梁が痩せて壁に隙間ができたのでシールで穴埋めをして検査は終了。
お好みの家具や雑貨に囲まれて心地よい暮らしをされているとのことで
これからも家族の大切な時間を紡いでいってほしいと思います。。
 
 
 

桜、満開

 

今年の桜も満開になりました。
毎年のことながら、実に見事な咲きっぷりです。
 
桜は葉をつける前に花だけが一斉に咲き、
しかも、薄紅色の小さい花を無数に咲かせるところがとても繊細で
日本人のこころの機微を育ててきたのではないかと感じます。
 
この美しい風景もほんの一瞬で、はかなく散っていきますが
そのはかなさゆえにとても貴重な1年のひとときです。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、家揚げ工事1

土台を残し、その他の床下地が取り除かれました。
 
 
 
 
階段左側の梁に向かって2階の床が沈み込んでいるのがわかります。
屋根の重みやシロアリの食害により、骨組に歪みは出ています。
 
 
 
 
 
 
シロアリによる食害の痕跡が残る敷居
 
 
 
 
こちらの柱の足元も食われています。
 
これら、傷んだ部材は新しい材に取替るか、部分的に継ぎ直され
その上で、骨組全体の歪みを矯正していきます。
 
 
 

虹ケ浜の家、垂木工事

虹ケ浜の家では棟上げが終わり、屋根下地の工事が進んでいます。
昨日は天窓の位置を打合せしてきました。
 
 
 
 
敷地に余裕のあるこの家では、軒の出も大きく取っています。
(写真はリビング南の軒先、約1.8mの深さ)
 
モダンなデザインでは軒がない方がすっきり見えますが
外壁の材質によっては、外壁が汚れたり、傷みが進みやすいというリスクを伴います。
 
軒のあるデザインは、軒が深い分コストもかかりますが
逆に、外壁の劣化が抑えられ、維持コストが節約できるというメリットもあるわけです。
 
なにより、雨の多い日本の気候では
雨の日に窓を開けて雨音の気配を感じる、
なんて風情も味わえるという特典付きです。
 
 

虹ケ浜の家、棟上げ

虹ケ浜の家、棟上げしました。

この家は敷地に余裕があることもあり、
中間間のモジュールで、柱はすべて4寸角の骨太な骨組みです。
 
海に近いこともあり、防災上2階を設けていますが
軒の高さを極力低く抑え、建替え前の家の風情を引き継ごうとしています。
松林を背景にした立ち姿のバランスも良さそうです。
 
 

週末連載 台湾30

台中にある茶藝館、無為草堂
 
台中市の市街地に立つ、比較的大きな敷地をもつ茶藝館です。
近代的なビルが立ち並ぶ中にある伝統的な佇まい、
門をくぐると、まるで異次元へいざなわれるようです。
 
 
 
 
受付を抜けると敷地の真ん中に池が広がっています。
そのまわりに回廊がめぐり、いくつもの個室が点在しています。
 
 
 
 
日本建築に比べるとやや大味な作りですが
それでも、池と緑の自然、その自然へと開かれた開放的な空間作り、
南国の気候も相まって、とてもくつろげる、気持ちのいい雰囲気です。
 
 
 
 
私が通されたのはこちらの離れ。
そばには小さなせせらぎが設えてあり、絶えず水の音を感じることができます。
 
 
 
 
昼時にはランチメニューがあり、
この日は鴨肉をローストした料理をいただきました。
 
 
 
 
そして、食後に中国茶をいただきます。
このお店でも最初は店員が中国茶の所作を一通り行ってくれます。
開放的な雰囲気の中、あたりにお茶のいい香りが広がります。
 
 
 
 
日本の茶道もそうですが
お茶は、それをいただく時間とともに、その空間がとても重要です。
 
台中のこのお店は、南国らしい空間作りで
簡素な佇まいの緊張感というよりも、おおらかさが勝っています。
 
そして興味深いことに
日本とはニュアンスの違う「市中の閑居」が体現されており
異国情緒も手伝って、快い時間を味わうことができました。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、家揚げ準備

櫛ヶ浜の家で既存家屋の家揚げの準備が始まりました。
コンクリートのベタ基礎を打設するため、一旦床板を取り外します。
 
既存の床下地は、土台も根太もみんな丸太材です。
工業化や規格化が進む前の家の作りは実に臨機応変、
100年の時代の変化を感じます。
 
 

お茶会、大津島にて

大津島の石柱庵で徳山高専茶道部のお茶会が行われました。
天気予報がはずれてくれたおかげで日差しに恵まれ、
とてもうららかな春のお茶会になりました。
 
 
 
 
小間に飾られたツバキ。
四日市からはるばる駆けつけてくれた内田鋼一さん、
民家の庭に転がっていた割れた焼き物をアレンジして生けてくれました。
 
 
 
 
こちらは立礼席の花入
徳山高専の土木建築学科の学生がコンペのスタディ用につくった模型をアレンジ。
荒い壁や石の柱とのコントラストが面白い取り合わせになっています。
 
 
 
 
昨年に続き、徳山高専茶道部の学生さんによるお点前。
澄んだ空気の静かな空間で清々しいお点前でした。
 
 
 
 
お茶会のあと、本浦地区へ。
連合自治会長の安達さんの案内で石の神社を見学してきました。
海に向かう鳥居も御影石でできています。
 
 
 
 
石の神社!
庇を支える左右一対の柱は、どことなく古代のオーダーを連想させます。
それもギリシャ様式というよりはロマネスクのような素朴さですが
瀬戸内の離島に和洋折衷のデザインが存在していたとは驚きです。
 
 
 
 
欄干のあしらわれた菱形も和の様式というより、モダンな感じ。
 
 
 
 
階段下の土間にはモザイクタイル!
海を通じた文化の交流といえば、地中海。
 
まさか地中海から伝わったとは考えにくいですが
瀬戸内海に地中海文明が重なって見えてくる不思議な様子です。
 
 
 
 
神社の近くにある石風呂(中を覗き込む内田さん)
それにしてもなんという独特な造形でしょう!
 
 
 
 
内部は野面の石積み。
積み上げた石のてっぺんに大石で蓋をすることで構造的に安定させる
ドームのような作りになっています。
 
 
 
 
「今でも現役で使っているよ」と安達さん。
 
なんでも、あの重源が東大寺再建のため、
徳地で木材を切り出した人夫の保養のためつくったのが起源なんだそうです。
その石風呂がこの大津島に伝えられ、湯治場としてつくられたそうです。
 
瀬戸内海に浮かぶ大津島、
海という情報インフラが古来から長い時間をかけていろいろなものをこの島に伝え
終着点として特有の文化が醸成されてきたのかもしれません。
 
時は過ぎ、平成の今、人口減少の進む島にJKによる新たな息吹が芽生えています。
あしがらず(笑)
 
 
 
 

大津島桜茶会

大津島の石柱庵で桜のお茶会が行われます。
 
ようやく春めいてきた今日このごろ、
大津島ののどかな自然に包まれて、春の気配を感じながら、
穏やかなひと時をお過ごしいただけます。
 
日時:3月26日(日) 10:30〜15:40
場所:周南市大津島近江地区 石柱庵にて
 
徳山高専茶道部の学生さんのお点前で、お薄をいただきます。
※雨天の場合は、待合にてお茶を差し上げます。
 
詳しくは、徳山高専茶道部のサイトにてご確認ください。