何気ない風景@虹ケ浜

 
虹ケ浜の現場近くにゴジラが出現!
 
環境美化に関心をもってもらうために表現されたというこのゴジラ、
流木でつくられたその姿はなかなかのクオリティですが
安全を懸念する県の要請を受け、製作者により自主撤去されることに。
 
危険 → 撤去 というのは、異質なものを排除しようとする日本民族のDNAゆえか?
危険 → 安全にする という柔らかい発想ができないところに
活性化しない日本社会の問題の根深さが表れています。
 
危険で景観を阻害する空き家がなかなか撤去されないのとは対照的ですが
期せずして社会の矛盾をついた浜のゴジラ、
「オレはいつでも戻ってくるぜ!」と笑っているようにも見えるのです。
 
 
 
 

 

岡山芸術交流7

 
 
 
 
 
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夕暮れの街角に現れた巨大アート
マイケル・グレイク=マーティンの「信号所」
 
蛍光灯の電球がポップな色合いで描かれ、
スケールアウトした大きさが常識を揺さぶって、街を刺激的な場所に変えています。
 
 
実際の街灯と響き合うように映るアートの電灯、
何気ない夕暮れをワクワクさせるスパイスです。
 
 
 
 
 
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隣にはこれもカラフルに彩られたタワー
リアム・ギリックの「Faceted Development」
 
 
今回、まちや地域の文化財にも展開したアートイベント、
窮屈な美術館のハコを飛び出して、より自由な表現を獲得し、
まちにさまざまな刺激を与えているようです。
 
ヨーロッパでは公共の場は屋内、屋外の境を越えて市民に開かれていますが
このイベントでは、アートの力によって様々な境を越えて、
まちを生き生きとした場に変容させています。
 
まさに、まちを活性化させた貴重な機会だったと言えるでしょう。
 
 
 
 
 

岡山芸術交流6

 
 
 
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岡山芸術交流、最後にスポットへ
こちらも前川國男設計による林原美術館。
 
なお、この門は岡山城二の丸にあった長屋門を移築したもの。
この地の歴史や文脈を意識した街並みの形成を図っています。
 
 
 
 
 
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長屋門をくぐると道が斜めに折れ、その先の階段に視線が誘われます。
緩やかな階段を上ったところに低く抑えられた美術館の入口が見えてきます。
 
単純な構成ですが、大胆に場面を展開しながら
躍動感のあるアプローチ空間を創り出しています。
 
 
 
 
 
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館内に入って最初に出迎えてくれたのは大きなヤドカリ!
 
なんでヤドカリ・・・?
と、一瞬戸惑うのですが、よく見ると借りている「ヤド」が仮面です(笑)
 
生物とアートが混在してさりげなく違和感が漂っています。
 
 
 
 
 
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次にあらわれた映像作品、
能面にインスピレーションを得た仮面をモチーフにしたもの。
 
憂いを帯びた表情は、物思いに耽る少女を連想させますが・・・
 
 
 
 
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いきなり、瓶を激しく倒し、凶暴な性格に豹変!
 
んっ!
少女の腕が毛むくじゃら!!
 
そう、仮面をかぶっているのは人ではなくサルなんです。
 
サルに仮面をかぶせることで、野蛮な獣と少女が同居する
どうにも整理のつかない、不可思議な感覚が頭の中を駆け巡ります。
 
 
 
 
 
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庭に横たわる女性の彫像
 
こちらも、やばい!
顔が蜂の巣に覆われてしまっています。
 
いやいや、
もしかするともともとただの人間じゃなくて、蜂の巣人間なのかもしれません!
 
 
もはや、人間とそうでないものの境がわからない異次元に入り込んでしまったような、
これまで生きてきた経験を裏切られるような、そんな体験です。
なんとも興味深い。
 
 
 

岡山芸術交流5

 
 
 
 
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岡山城、不明門
厳めしい城門の上屋の中にアート作品があるということでまずは拝見。
 
 
 
 
 
 
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島袋道浩の映像作品「弓から弓へ」
 
2台のコントラバスを演奏していますが、右側の弓はなぜか弓矢の弓!
まじめに演奏しているところに、逆にユーモアを感じます。
 
古来、狩猟や戦争に使われた弓をヒントにバイオリンが生まれたとも言われるそうで
そのことが直裁に表現されています。
 
この作品が「戰の象徴」でもある城、それも城の文化財が置かれた部屋にあるのが
なんとも示唆的です。
 
音楽やアートは平和の象徴でもあります。
争う時代から平和な時代に変わった今、この作品を見ることで
改めて平和であることをじわりと感じます。
 
 
 
 
 
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本丸に設営された仮設足場によるジャングルとその入口
これはリクリット・ティラヴァーニャが手掛けた茶室とその路地。
 
仮設フレームでつくられた結界、
その林の中を飛び石ならぬ仮設の床材を渡っていくという趣向。
 
 
 
 
 
 
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路地の途中に置かれた盆栽
 
3Dプリンターでつくられてたいわば「フェイク」ですが
「美とは捏造である」という茶道に潜む本質を暗示しているようにも見えてきます。
 
 
 
 
 
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矩折りの路地を進んだ先にある正方形の茶室
 
仮設資材やフェイクなど、常識を覆す表現は茶道の精神そのもの、
茶道と現代アートとの親和性を改めて感じます。
 
 

岡山芸術交流4

 
 
 
 
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後楽園にある「流店」
 
後楽園は今回のイベント会場ではありませんが
以前から気になっていた「流店」を見るため足を伸ばしました。
 
2階建ての1階はほぼ完全に吹きさらし、
2階が閉じているため、1階の抜けが強調されていて
これ以上、突き抜けた開放感を感じる建築を他に知りません。
 
 
 
 
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2階は雨戸で閉じてありますが、
なんと! 雨戸の戸袋が建物より外へ飛び出しています。
 
雨戸を開けると間口いっぱいに景色が広がることになります。
是が非でも最高の開放感にこだわった、この空間に賭ける思いが伝わってきます。
 
 
 
 
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「流店」最大の見せ場
建物の中を流水が貫く、実に独創的な趣向です。
 
四方柱だけのシンプルな空間に、水という自然を取り込んだ
明快にして大胆な空間構成です。
 
午後からの日差しが水路に反射し、天井に揺らめく光を移し
静と動、自然と人工、小さい建築と大きな風景が融合する
実に感動的な空間に体が溶けていきそうです。
 
 
 
 

岡山芸術交流3

 
 
 
 
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岡山のまちなかに宇宙からの飛行物体が落下!
駐車場の舗装の割れ方が落下の凄まじさを物語っています。
 
 
 
 
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そうではなくて、あくまでフィクション。
作品のタイトルは「編集は高くつくので」、ライアン・ガンダーの作品です。
 
異次元から飛来したとの設定ということですが
それにしても徹底した表現、本気度満々です。
 
美術館を飛び出して、現実のまちを舞台にした表現に
スケールとリアリティがあふれています。
 
 
 
 
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午前中いっぱい見て回ったところで、近くに見つけたカフェにイン。
 
古い町家を改修したようですが、
後楽園に近いこのエリアは古くからの風情に新しいセンスが加わって
街並みに味わいが増しています。
 
 
 
 
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窓越しに旭川と後楽園にかかる橋、そして青空、
眺めがよく、とても落ち着けるお店です。
 
ここで一服した後、後楽園から岡山城へ
後半戦に臨みます。
 
 
 
 

岡山芸術交流2

 
 
 
 
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岡山県天神山文化プラザ
 
こちらも作品の展示会場になっています。
建物の設計はル・コルビュジエの弟子でもある前川國男。
 
 
 
 
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現代アートもさることながら、この建築にもパワーがあります。
 
現代のように、石やガラス、金属パネルなど仕上材の選択肢が少ない時代に
コンクリートの打放しだけによる見事なまでのデザインと施工精度です。
 
コンクリートの量塊を水平、垂直に分割してメリハリをつけ
壁の奥行きを深くとって陰影のある表情豊かな姿に仕立てています。
 
コンクリートとは思えないほどの細い壁、
そのエッジは剃刀のようにとんがってシャープな姿を見せていて
建築家の表現にかける思いの厳しさが伝わってきます。
 
 
 
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入口部分のピロティ空間
 
黄色に塗られた天井に目が行きますが
よく見ると天井のボードの割付にも工夫が見られます。
床のレンガタイルのパターンといい、漫然とデザインをしていないことがわかります。
建築のあらゆるところで、ひとつたりともおろそかにせず、徹底的に考え抜く。
この建築にて、改めて前川の凄みを感じ入りました。
 
 
 
 

岡山芸術交流1

 
 
 
 
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週末、岡山に行ってきました。
 
今回の目的は、ずばり現代アート。
直島を中心にした瀬戸内国際芸術祭など、
最近中国地方に芽吹き始めたアートな息吹が岡山にも広がりを見せています。
 
岡山市でも、10/9 〜11/27まで現代アートの交流イベントが開催されました。
岡山城や後楽園のある旧城下町エリアの屋外や美術館、学校跡などに
16カ国、31組のアーティストによる作品が点在しています。
 
 
 
 
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最初に訪れたオリエント美術館、
ロバート・バリーによるインスタレーション「Wire sculpture with ring」
吹き抜け空間の中空に小さなリングが3本のワイヤーで固定されています。
 
最高裁判所の設計で知られる岡田信一郎による吹き抜け空間、
その重厚で強い空間に比べると取るに足らないほどの弱々しいの存在ですが、
空間の重心を捉えて、目には見えない秩序と間を生み出しているようにも感じます。
 
 
 
 
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ホセ・レオン・セリーヨの 「Place occupied by zero」
 
中間一貫校だった旧後楽園天神校舎跡の教室を使ったインスタレーション
既存空間にはまったく手を加えず、その生々しい空間の秩序と質感の中に
無関係のディメンションがダイレクトに挿入されるという大胆な構成。
 
既成の空間とのコントラストがとても鮮やかで、
リアルな場の概念に生まれる揺らぎが興味深い。
 
 
 
 
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リアム・ギリックによる 「Development」
 
学校の校庭に現れたパターゴルフ場!
実際にゴルフをすることができる体験型のアートです。
 
グラフィックにレイアウトされたコースには傾斜や曲がりなどがあって意外と集中、
自然とアートの世界にのめり込んでしまいました。
 
 
 
 
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下道基行の「14歳と世界の境」
空き家になった教室に作品がダイレクトに置かれています。
 
美術館のホワイトボックスとは違い、窓の外に岡山の街が広がるリアルな場と
アートがダイレクトにつながって生み出されるスリリングな空間です。
 
 
 
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渡り廊下の窓ガラスに書かれた文章
 
ここでも既存の校舎とアート作品がダイレクトに並置されて
ものすごくリアルで刺激的な空間が現れています。
 
ビジュアル的にも、窓越しに見える街と青空、
そこに重なるグラフィックの文字が生み出す世界がとても美しい。
 
日常の建築が失いかけているパワーや概念を呼び起こしてくれるこのイベント、
刺激的な体験を引き続きレポートしていきます。
 
 
 
 
 

平凡と非凡

 

 

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漆黒の中からにじむ淡いツヤめき。

濱中史朗さんの大屋窯でピックアップしたブラックレザーの器です。

適度にゆがんだ渦巻き模様がそのまま形に現れて

平凡と非凡の境が薄まったところが好感です。

 

2013.5.6 設計事務所 TIME

 

鹿野散歩

 

 

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砂紋が広がるその中心に渦巻くように刺さる石組み。

まるで、遠心運動を続けているような動きのある表現は

重森三玲の作です。

鹿野の漢陽寺にはこの他にも三玲による作庭が残っており

見ごたえのあるパワースポットになっています。

 

2013.2.6 設計事務所 TIME