そこにしかない場

 

2013年、最後の日を迎えました。

 

今年一年、

国内では景気回復や東京オリンピックの決定など、明るいニュースがありました。

その一方、東北の復興はまだまだ道半ばのままです。

 

震災で浮かび上がった ”絆” は新たな局面をむかえています。

IT技術の進展とネットの浸透によって

いつでもどこでもつながれる社会がどんどん広がっています。

その反面、リアルな場やリアルなつながりは力を失いつつあり

人が生きる拠りどころとなる強い絆は、ますます貴重になっていくでしょう。

 

今年は7年越しで取り組んだ城ヶ丘の家がついに完成。

自然とともに暮らす日本の家をひとつのかたちにしました。

そこにしかない場としての中庭から、家族のつながりの発酵が始まります。

 

カピン・コーヒーでは倉庫をリノベした珈琲豆御渡所 ““が11月にオープン。

わざわざでも行ってみたい、世界にひとつしかない場の完成です。

 

金剛山の家では外構工事がもう一息で完成します。

土地の力を借りつつ、おだやかな暮らしの場となることを期待しています。

 

東山や下松でも新たな計画が進行中。

そこにしかない場が生み出す家族のつながりを模索していきます。

 

山崎八幡宮の改修工事は春から工事が始まる予定。

地域にとっての拠りどころとなる、強い磁場の実現に取り組みます。

 

大津島では茶室のプロジェクトがいよいよ実践編へ。

島の原風景を発掘し直す先進的な試みとなりそうです。

 

まちづくりでは、新徳山駅ビル、歩行者優先道路化、市庁舎建設の各委員会が進行中。

委員として、市民の拠りどころとなる新しい時代のインフラの実現に取り組みます。

 

そこにしかない場所、そしてそこに暮らす人々の支えとなる絆。

建築にとって何ができるのか、来年もそれを問い続ける年になりそうです。

 

今年も多くのみなさまに支えられてこの日を迎えることができました。

新しい年もみなさまにとってよりよき年になりますようお祈り申し上げます。

 

2013.12.31 設計事務所 TIME

 

 

 

週末連載 スイス・ドイツ45

 

 

 

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天井に設けられた筒状のトップライト。

筒を黒く塗り、深さをとることで外壁からにじむ光との干渉を避けつつ

空から降りてくる光の象徴性を際立たせています。

自然の光とは異なる、完全に演出された光、

ステンドグラスにも通ずるこの光の扱い方に

西洋人の光に対する思想のようなものが現れているような気がします。

 

何気ない風景@瀬戸浜

 

 

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護岸と電柱。

 

護岸にはひびが入り、風雪を経た時間が刷り込まれています。

まっすぐに立つ木製の電柱もいい色に焼けていて

どちらもまったく飾りっ気のない即物性を備えています。

この二つが偶然にもこの場所で出会ったことで

何でもない風景に不思議な気が現れています。

 

2013.12.27 設計事務所 TIME

 

城ヶ丘の家14

 

 

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リビングから見た中庭。

中庭の床レベルをリビングと近づけ、同じ床材でそろえることで

リビングはその広さ以上に外へ外へと広がっていきます。

中庭を通して離れの奥が見えます。

離れてはいても視覚的につながることで

独立性と一体感の適度なバランスを図ろうとしています。

 

2013.12.25 設計事務所 TIME

週末連載 スイス・ドイツ44

 

 

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手すりエンドのディテール。

アングルフレームに取り付く部分は一度プレートで受け直し

下の横桟とは明らかに扱いが変えてあります。

その向こうに見える手すりと支柱にも同様にプレートを介在させ

それぞれのパーツによる構成を際立たせるなど

細部に至るまでデザインの論理を追求しています。

 

夏の沖縄14

 

 

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地上から屋上までつづく階段。

市役所は一般市民にとって親近感を感じにくい場所ですが

名護市庁舎では建物の屋上までオープンスペースになっていて

市民は建物の隅々までアクセスすることができます。

見た目のデザインだけではわからない人を豊かにするための哲学が

こんなところからも感じられます。

 

2013.12.6 設計事務所 TIME

 

深遠なたくらみ

 

 

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廃墟同然の倉庫を前に話し合う酔狂な連中は

一方でこの島の原風景の魅力を肌で感じている面々です。

 

この倉庫を捏造によって美へと昇華させ、この場の力を引き出す、

小さいけれど深遠なたくらみが静かに進行しています。

 

2013.12.19 設計事務所 TIME