宇部のリノベーション、工事開始

宇部西岐波の家でリノベーションの工事が始まりました。

既存のリビング、ダイニング、キッチンの間仕切を取り払い、ダイニングの天井を解体しておおらかなワンルームに生まれ変わらせます。

 

 

ダイニングからL字に突き出したリビング

写真左の柱の位置に薪ストーブを設置する予定でしたが、間仕切を解体すると2階を支える通し柱だとわかったため、薪ストーブ位置を柱の右側にずらすことになりました。

古い家では当初の図面がないため、解体して初めてわかることも多く、新築にはない調整が求められますが、それを臨機応変にアレンジするのがリノベならでわの楽しみです。

 

 

天井を取り払ったダイニングの小屋裏空間

正面の壁は屋根まで立ち上げて仕切るのですが、壁の奥から屋根を支える角材が突き出しています。

壁からはみ出すのでカットしてもよいのですが、あえてこの家の歴史として、あるがままに見せることにしました。白いプレーンな壁に現れる荒々しい角材は機能を超えたオブジェとして、天窓の光を受けて日時計のように壁に影を描くことでしょう。

 

 

宇部西岐波のリノベーション

宇部西岐波のリノベーション案
 
昨年4月に既存住宅の実測調査を行い、改修範囲やデザインの方向性、具体的な仕上や設備などの打合せを進め、基本設計の概略がまとまりました。
 
ダイニングキッチンは既存の3部屋をひと続きにした40畳ほどのワンルーム空間。天井を取り払い、既存のトラス梁を現しにしたおおらかな空間です。
 
 
 
 
 
 
実測調査した際、ダイニング横の納屋部分に露出していたトラス梁は、現代の一般的な住宅ではあまり見かけない表情豊かな屋根架構です。
 
この屋根架構をいかしたダイニングルームのリノベーションが空間の大きなポイントになる予定です。
 
 

リノベーションの実測調査

築60年以上になる木造の家をリノベーションする計画で実測調査を行いました。
 
写真は、家の中心にある二間続きの和室と内縁
内縁からつながる庭への開放感が気持ちのいい空間です。
 
 
 
 
 
 
9mくらいある長い内縁
室内と庭をつなぐ心地よい中間領域となっています。
 
 
 
 
 
 
実測調査とともに、床下の劣化状況がないかをチェック。
やや湿気のあるものの、修繕された形跡があり、まずまず良好な状態です。
 
 
 
 
 
 
正面には二間続きの和室、右に内縁と南庭、
左側は中廊下とその先にはもう一つの和室があり
部屋と部屋がゆるやかにつながる空間に特徴があります。
 
 
 
 
 
 
南側の和室から中廊下と北側の和室を見たところ
こちらも一直線に光と風が抜けていく気持ちの良い空間です。
 
 
 
 
 
 
こちらも9m近くある中廊下
中廊下に面した和室はすべて建具で開放可能になっているおかげで
廊下がただの通路ではなく、部屋と部屋をつなぐ役目となっています。
 
南側の内縁と中廊下は一周できるようにつながっており
さらに各部屋ごとにも行き来が可能なため、
多様な回遊性をもった、行き止まりのない自由度の高い空間です。
 
 
 
 
 
 
リノベーションのポイントになりそうなダイニングルーム
キッチンも含めて18畳のワンルーム空間は、ものを整理すれば広々とした空間になりそうです。
 
 
 
 
 
 
ダイニングルーム脇のスペースは洋小屋が現しになっていました。
ダイニングルームも天井を取り払うとダイナミックな空間になりそうです。
 
長く使われてきた家には、ただ古いだけではなく
くらしの記憶や思い出、愛着や懐かしさが詰まっています。
 
それらは形があったり、なかったりしますが
そこに暮らす人にとって大切な価値があるものです。
 
リノベーションにあたっては
残すものと新しくするものをどのように選択していくか、
そして、既存の空間と現代のライフスタイルをどのように融合させていくか、
そのさじ加減が重要になります。
 
それらのポイントを押さえつつ、
この家にしかない唯一無二の個性を引き出せるよう、これからプランを練っていきます。