年が明けて、湯野の現場では浴室の左官仕上げ工事が始まりました。
北向きの貸切風呂 月は窓の高さを低く抑えながら
全開する窓によって外庭とつながる落ち着いた空間です。
腰壁の左官仕上げ、その上の杉板の壁が貼られたところ
こちらはモノトーンの明るさを抑えた空間、
天窓からの光による陰影が仕上げを繊細に映し出すことを意図しています。
貸切風呂 壺の方は、円形浴槽を左官で仕上げています。
壺をイメージした平面と縁回りは丸みのある形で
手仕事で生み出されるやわらかい表情を引出すため
浴槽全体を骨材入りの人研ぎ仕上げとしています。
壁の左官仕上げ
こちらはやや明るめのベージュがかった灰色の壁に仕上げていきます。
貸切風呂 月の床仕上げ工事
壁と同様、明るさを抑えた黒っぽい豆砂利入りの洗い出し
左官仕上げがほぼ仕上がりました。
やや露出を絞って撮ったため暗く見えますが
天窓によって陰影が感じられる空間になっています。
人造石による浴槽の縁と洗い出しの床
黒を基調とし、数種類の骨材を加えることで
かすかに表情が浮かび上がるような表情が見られます。
壺の方も、最後の床仕上げが行われました。
こちらは一転して明るい色の床仕上げ
白を基調とした中に、同じく数種類の豆砂利で表情をつくります。
約2週間かけて浴室の左官工事がほぼ完了。
あわただしい工程の中、
枠回りとの取合いや寸法の調整などいろいろ苦労はありましたが
もっとも重要な空間は、なんとか形になってきました。