宇部のリノベーション、工事開始

宇部西岐波の家でリノベーションの工事が始まりました。

既存のリビング、ダイニング、キッチンの間仕切を取り払い、ダイニングの天井を解体しておおらかなワンルームに生まれ変わらせます。

 

 

ダイニングからL字に突き出したリビング

写真左の柱の位置に薪ストーブを設置する予定でしたが、間仕切を解体すると2階を支える通し柱だとわかったため、薪ストーブ位置を柱の右側にずらすことになりました。

古い家では当初の図面がないため、解体して初めてわかることも多く、新築にはない調整が求められますが、それを臨機応変にアレンジするのがリノベならでわの楽しみです。

 

 

天井を取り払ったダイニングの小屋裏空間

正面の壁は屋根まで立ち上げて仕切るのですが、壁の奥から屋根を支える角材が突き出しています。

壁からはみ出すのでカットしてもよいのですが、あえてこの家の歴史として、あるがままに見せることにしました。白いプレーンな壁に現れる荒々しい角材は機能を超えたオブジェとして、天窓の光を受けて日時計のように壁に影を描くことでしょう。

 

 

山口市で工事開始

少し前になりますが、山口市の湯田温泉にほど近い場所で地鎮祭が行われました。

建主の熱い思いを受けて。昨年の5月から設計を詰めてきました。45坪の平屋の建物は、日本酒の角打ちのお店や会社の応接室、オーナーの住居などが収められた複合建築です。

 

 

地鎮祭では、会社のブランドであるお酒も祭壇に飾られました。

 

 

祭壇に飾られた「MUJAKU TEN -天-

 

 

先週から基礎工事が始まりました。

昨年の湯野温泉と同様の補助金事業で、地域の活性化に寄与する施設を期待されており、来年の2月の完成を目指して力を注ぎます。

 

2025.8.25 設計事務所 TIME

設立20周年のごあいさつ

 

設計事務所TIMEは今日で20周年を迎えました。改めて、これまでご支援をいただいた多くの方々に感謝を申し上げます。

終戦記念日のこの日に、初心に立ち返るという思いで事務所をスタートし、ここまで仕事を積み重ねてきました。

社名であるTIMEには、「時を経ていくもの」という思いを込めています。

建築は空間芸術とも言われますが、一方で使い続けることや受け継ぐことがますます重要な時代になりました。

しかし、時間の効率やスピードは加速するばかりで、時間のもつ豊かな価値を見失ってはいないでしょうか? そんな状況で、果たして人間は本当に豊かな時間(人生)を送っていけるでしょうか?

そんな問いに対するTIMEのビジョンが 「時は豊かなり」 です。

日々のひとときや季節のうつろいを豊かに味わう。月日を経て育っていく愛着や大切な記憶を人生に刻んでいく。そのような場をこれからも創造したいと思います。

TIMEの建築には決して派手さはありませんが、時間を豊かに過ごすための居心地のよさにしっかりとこだわります。

暮らす人の人生がよりよい時間となるよう、これからも模索を続けて参ります。

 

2025.8.15 設計事務所 TIME

白木の軒天井

児玉神社社務所の軒天井見上げ

棟上げが終わり、耐力壁と金物、断熱材の施工状況の検査を行いました。上の写真は参道に正対する軒下空間を見上げたところ。

柱や梁はヒノキ、屋根の垂木や野地板はスギを使用しています。本殿に対して主張を抑えたすっきりとした構成ですが、白木の肌がなかなか美しいです。

このまま仕上げたいところですが、耐久性を考慮して最終的には茶系の保護塗料で仕上げる予定です。それまで、しばらくの間、ささやかな目の保養になります。

 

 

児玉神社社務所 棟上げ

児玉神社社務所の建て方工事が始まりました。

25坪の1階の上に9坪ほどの2階が載るやや入り組んだ形状の2階建てです。蝉しぐれが聞こえてきそうな暑さの中、10人ほどの大工さんがを2日がかりで建てていきます。

 

 

2日目、日が西に傾いてきた16時頃、無事棟上げ完了です。

徳山小学校の森のような木々を背に、安定感のある形が浮かび上がってきました。

 

暑中お見舞い申し上げます

毎日暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?

暑さを少しでも和らげようと、風鈴を吊るしました。風にそよぎ、カラカラとガラスを鳴らす音が、心の温度を少し下げてくれるようです。

今年は梅雨明けが早かったので、中庭のオーニングはすでにフル稼働、随分と朝日や西日を和らげ、中庭の温度を下げるのに貢献してくれています。

中庭の奥にはバジルや唐辛子が成長中、イチジクの実も少しずつ膨らんできました。猛暑の中、毎朝の水やりも欠かせませんが、そのおかげで毎日美味しいハッカ茶をいただくことができます。

今年も長い夏になりそうですが、暑さに負けず、元気に乗り切りましょう。

 

高水の家 骨組み検討中

高水の家では基本設計が進み、空間デザインと構造設計の調整を行っています。構造計算による架構図をもとに、室内のパースを起こしたところです。

木造の架構と吹抜けの天井、そして庭に大きく開いた広いリビングという建主のご希望を形にしています。

右側中央、4本の通し柱を櫓に組んだような架構がこの家のメインフレームです。左側の庭に向かってワイドな開口を開けて、30畳の広いリビングがさらに庭に広がっていきます。

 

 

構造の骨組みを立体図にしたところ

今回は長期優良住宅とするため、剛性の高い屋根のかけ方を詰めているところです。10m角の平面に単純な切妻屋根を架けた形で、できるだけ明快な骨組みの形をめざしていきます。

 

 

児玉神社社務所 配筋検査

児玉神社の社務所工事は基礎工事が進んでいます。地盤が良好なため、シングル配筋のべた基礎です。

鉄筋の径やピッチ、継手や定着の長さ、開口部の補強、かぶり厚さ、防湿フィルムの重ね代など、一通りのチェックを行い、不良箇所の是正を指示し、底盤のコンクリート打設を行います。

 

 

底盤の打設後。立上りの型枠が設置されたところです。

設置されたアンカーボルトやホールダウン金物の配置、埋め込み深さや立上りの長さ、傾きなどをチェック。梅雨の晴れ間をにらんで、立上りのコンクリートを打設します。

 

 

意志を感じるデザイン

秋野不矩美術館はアプローチの工夫や外観の造形、リアルな質感など、建築家の秀でたデザイン力を感じました。今回は、細かいところにスポット当てます。

写真はアプローチ道路脇の手すりと側溝です。これがデザイン?と思ってしまうほど何気ない造りです。

はっきり言って地味!安っぽい・・・?

確かに見た目は決して洗練されているとは言い難いかもしれませんが、どちらも木で作られていることが肝であることは間違いありません。

美術館の原始的な造形や自然素材のワイルドな質感が生み出す世界観が、これらの小物たちにもしっかりと貫かれており、私にとっては、これぞデザイン!と言える一品です。

木は腐るとか、木は色褪せるとか、ネガティブな意見も囁かれそうですが、それすら超越した建築家の力強い意志を感じるデザインです。

 

 

何気ない風景@スターバックス

ガラス越しの緑、そこからの木漏れ日が店内を心地よく満たします。

浜松城そばのスターバックスは、シンプルな造りながら実に気持ちのよい場所です。建築に気負いはまったく感じられず、ただただ清浄な気だけが感じられます。

公園に面した外壁は床から屋根まですべてガラス貼り、ほぼスケルトンの空間は森に抱かれたようで、室内にいながら森林浴の気分です。

 

 

 

視線を公園に移すと見えるのは、こちらも穏やかな休日の風景です。

公園はほどよい広さで、外周をぐるりと豊かな緑が包んでいます。三々五々と人が訪れては去っていきつつ、絶えず人の振る舞いが感じられる情景に、のどかな印象派の絵画を想い起します。