直線のコンポジション

神勝寺一来亭、座敷の風景本堂から脇道を下りて行った木立の中にある一来亭。千利休が建てた茶室を中村昌生氏の設計で復元したものです。屋敷の座敷部分にもさりげないデザインが施されています。畳割と縁の線、柱や鴨居の軸組、壁の素材 … “直線のコンポジション” の続きを読む





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神勝寺一来亭、座敷の風景

本堂から脇道を下りて行った木立の中にある一来亭。
千利休が建てた茶室を中村昌生氏の設計で復元したものです。

屋敷の座敷部分にもさりげないデザインが施されています。
畳割と縁の線、柱や鴨居の軸組、壁の素材、腰張りや襖の配色や比率、障子や天井のライン。

直線のみで構成された空間は一見あっさりとした印象ですが、
決して単調ではなく、十分に抑揚が感じられます。

週末連載 台湾21

繁華街の中にある永康公園真ん中の遊具で遊ぶ子供たち、それを遠目に見ながらベンチでくつろぐ大人たち。とても穏やかな風景です。周囲に柵がなく、まちと連続して開放感があり豊かな緑が茂ってとてもヒューマンスケール、公園の外周がベ … “週末連載 台湾21” の続きを読む





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繁華街の中にある永康公園

真ん中の遊具で遊ぶ子供たち、
それを遠目に見ながらベンチでくつろぐ大人たち。
とても穏やかな風景です。

周囲に柵がなく、まちと連続して開放感があり
豊かな緑が茂ってとてもヒューマンスケール、
公園の外周がベンチ状になっていて、くつろげる仕掛けが充実、
子供にも大人にも居心地のいい空間になっています。

一見、日本の公園と差がなさそうですが、
管理する側から発想する日本のようなよそよそしさはなく
使う側から考えて作られていることが実際のくつろぎに現れています。

さらに、この公園の形状が居心地に大きく効いています。



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航空写真で見ると、公園は変形の三角形になっています。

広さ900坪弱の小さな公園ですが
真四角の堅苦しさがなく、動きと変化、そしてパースが効いておおらかです。

中国ではシンメトリーで強いデザインが好まれますが
同じ民族でも、ここはその場の状況に委ねたデザインになっています。

やわらかく、さりげない雰囲気になっているところが
日本人の心に響いてくるのかもしれません。




引き算のスタディ

密集地域の中古住宅でのリノベーション計画とりとめのない間取り、雑然とした仕上げを一旦整理し、建物中央の階段をクローズアップする計画です。耐震補強が必要なため、柱やブレースに囲まれていますが可能な限り余材を引き算しながら、 … “引き算のスタディ” の続きを読む




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密集地域の中古住宅でのリノベーション計画

とりとめのない間取り、雑然とした仕上げを一旦整理し、
建物中央の階段をクローズアップする計画です。

耐震補強が必要なため、柱やブレースに囲まれていますが
可能な限り余材を引き算しながら、風景をつくるべくスタディ中。



空と森

本堂に向かう階段息が切れるほどの高さを上っていきます。登りきったところから見えるのがこの風景人工物の全く見えない空と森のみの澄んだ景色が広がっています。2016.11.16 設計事務所 TIME




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本堂に向かう階段
息が切れるほどの高さを上っていきます。




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登りきったところから見えるのがこの風景
人工物の全く見えない空と森のみの澄んだ景色が広がっています。


鐘楼門

神勝寺の本堂へ向かう途中にある鐘楼門門は本来、場所を仕切る機能を持っていますがこの門には扉がありません。また、門の両脇も通り抜け可能になっています。解説によると、一切衆生が仏門に入ることを拒まない仏の大慈悲心を表すとされ … “鐘楼門” の続きを読む




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神勝寺の本堂へ向かう途中にある鐘楼門

門は本来、場所を仕切る機能を持っていますが
この門には扉がありません。
また、門の両脇も通り抜け可能になっています。

解説によると、
一切衆生が仏門に入ることを拒まない仏の大慈悲心を表すとされています。

ここから世界が変わることを表していながら
向こうとこちら側が限りなく繋がっています。

場所のもつ意味が変わっても、物理的には連続していくという
実に気持ちよく、興味深い空間性をもっています。


週末連載 台湾20

茶藝館、回留の店内風景通りに面した開放的なつくりですが、照明を抑えた空間は少しほの暗く、とても落ち着けます。こちらは小上がりの床座、靴を脱ぎ、さらにくつろいだ雰囲気になります。いただいた烏龍茶基本的な作法はありますが、日 … “週末連載 台湾20” の続きを読む





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茶藝館、回留の店内風景

通りに面した開放的なつくりですが、
照明を抑えた空間は少しほの暗く、とても落ち着けます。




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こちらは小上がりの床座、靴を脱ぎ、さらにくつろいだ雰囲気になります。




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いただいた烏龍茶
基本的な作法はありますが、日本の茶道ほどの堅苦しさはありません。

リラックスできる空間で穏やかな時間を過ごせる台湾の茶藝館、
なかなかのクオリティーで、病みつきになりそうです。


賞心庭

神勝寺の境内に広がる賞心庭山中の広大な敷地を切り開いて建立された神勝寺、谷筋の地形を生かした池泉回遊式の庭園が広がっています。山の自然と庭園、建築が調和し、伝統的な日本の風景を体現しています。京都から遠く離れた福山市の山 … “賞心庭” の続きを読む





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神勝寺の境内に広がる賞心庭

山中の広大な敷地を切り開いて建立された神勝寺、
谷筋の地形を生かした池泉回遊式の庭園が広がっています。




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山の自然と庭園、建築が調和し、伝統的な日本の風景を体現しています。
京都から遠く離れた福山市の山中にこの風景が存在することに驚きます。



OB会@箱根

芦ノ湖、朝の景色東京で働いていた設計事務所のOB会が箱根で行われました。紅葉の始まった美しい景色の中、それぞれの活躍を確認し合いました。独立して早17年、建築を志して頑張ってきた修行時代を忘れることなくこれからも精進して … “OB会@箱根” の続きを読む





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芦ノ湖、朝の景色

東京で働いていた設計事務所のOB会が箱根で行われました。
紅葉の始まった美しい景色の中、それぞれの活躍を確認し合いました。

独立して早17年、
建築を志して頑張ってきた修行時代を忘れることなく
これからも精進していかなねばと思える良い機会となりました。


松堂

神勝寺の寺務所 松堂山門をくぐるとまず迎えてくれるのがこの寺務所、縄文建築の藤森照信氏の設計です。禅宗寺院に藤森建築とはなかなかのチャレンジですが、違和感なく風景に溶け込んでいるところはさすがです。屋根の天辺にはトレード … “松堂” の続きを読む





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神勝寺の寺務所 松堂

山門をくぐるとまず迎えてくれるのがこの寺務所、
縄文建築の藤森照信氏の設計です。

禅宗寺院に藤森建築とはなかなかのチャレンジですが、
違和感なく風景に溶け込んでいるところはさすがです。




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屋根の天辺にはトレードマークでもある木が生えています。




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深い軒下空間の先に受付があります。
柱の外側は、木材保護のため足元まで板金でカバーされています。




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軒下空間、あえて曲がった木で列柱を構成
この野蛮なところにユーモアが感じられ、なかなか痛快です。




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土壁の塗り回し
屋根も壁も継ぎ目なし、手仕事のアナログさが妙に新鮮な表情です。





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こちらはトイレの換気口

既製品のガラリのいやらしさをカモフラージュ、
建物の裏面なのに、手を抜かず、デザインしまくってます(笑)




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トイレ前の通路

床は刷毛引き仕上げ、壁天井は土壁の引きずり仕上げ
こちらもアナログな仕上げにレトロな照明が妙にマッチしています。

和とも洋とも言い難い、古めかしいようでとても斬新、
藤森建築の真骨頂が随所に見られます。



天心山 神勝寺

禅宗の寺院らしい堂々とした山門広島県福山市沼隈町の山中にある新勝寺、福山西インターを降りて山道を走ること15分、人家もまばらな山の中に忽然とこの山門が現れます。この奥には、スゴイものたちが存在するのですがとても一口には語 … “天心山 神勝寺” の続きを読む




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禅宗の寺院らしい堂々とした山門

広島県福山市沼隈町の山中にある新勝寺、
福山西インターを降りて山道を走ること15分、
人家もまばらな山の中に忽然とこの山門が現れます。

この奥には、スゴイものたちが存在するのですが
とても一口には語れないので、明日以降、おいおいレポートしていきます。