週末連載 台湾42

迪化街の中心に位置する永樂市場
その周囲には計画的に作られたオープンスペースがあります。
 
このスペースは周辺のまち並みと適度な間合いをつくり
永樂市場の歴史的外観をシンボライズすることにも貢献しています。
 
歴史的資産をしっかり生かして
現代の都市生活にゆとりと味わいを生み出すこの仕掛け、
とてもクールです。
 
 
 
 
米粉湯などの老舗が並ぶ南側には樹木とベンチが設えてあります。
 
美味しい店、広場、木陰、ベンチ
最強の組み合わせが都市の中に「幸せな空間」を生み出しています。
 
 
 

週末連載 台湾40

真っ赤な丸提灯とアールデコ様式のビル
 
迪化街にやってきました。
このまちの歴史は古く、19世紀の清朝時代に貿易のための商店や問屋街が開かれ
日本統治時代、戦後の中国統治を経て、現在は観光地としても賑わいを見せています。
 
その繁栄の歴史は、必ずしも直線的なものではなく
中国や日本、日本を経由して移入された西洋の文化などが
まるで積層したケーキの断面のような風景として見えてきます。
 
 
 

週末連載 台湾39

迪化街に向かう途中、
突如現れた要塞のような集合住宅。
 
巨大な壁面もさることながら、そこに張り付いた庇、室外機、バルコニー。
どうやら個々の居住者のニーズに応じて後付けされたようです。
 
そのイレギュラーな構成が巨大壁面の威圧感を和らげて
生き生きとした人間くさい表情を獲得しています。
 
それにしても、
この後付けパーツ、一体どうやってつけたのか・・・?
 

2017.9.16 設計事務所 TIME 

週末連載 台湾38

競い合うように道路に突き出した袖看板たち
 
台湾編で何度も現れる混沌とした風景。
一見、日本の都市風景にも似ていなくもないですが、何かが違う。
 
それは、
工業製品にはない、人の手仕事による標準化されていない仕事ぶり。
その表情は、まるで人間の感情がむき出しになったようで圧倒的にリアルです。
 
 

週末連載 台湾36

金属製の格子で覆われたまち並み
 
まるで鳥かごのようなこの格子、
京都の格子とは機能や風情は違うものの、連続したまち並みを形成しています。
 
なかには格子が植木鉢の台に派生していたりして、
まち並みが独自の進化を遂げているところが秀逸です。
 
 

週末連載 台湾35

先週につづき、すきま風景をもうひとつ
 
この路地もかなりミステリアスな雰囲気をもっていますが
 一方で、これだけの長さがまっすぐに通っていることから
近代都市としての計画性をも暗示させます。
 
 
 
 
試しに航空写真をググってみると、このとおり。
 
四角に囲われた街区の中に鰻の寝床状のビルがびっしり。
それらが南北の真ん中できれいに分けられ、そこを路地が貫いています。
 
この路地は、ある意味よそよそしい大通りの性格に対して、
リアルなコミュニティをささえる都市のサブシステムと言えるのかもしれません。
 
 

週末連載 台湾34

路地? それとも・・・
 
地下鉄(MRT)雙連駅近く、ビルとビルのすきま風景。
都市生活では必要だけど、見せびらかすべきでないものたちがあふれていて
その様はまるで都市の内臓のようです。
 
このすきま、どうやら通り抜けできそうなんですが
通過する間に消化されそうで怖い・・・
 

週末連載 台湾33

台湾庶民の台所のひとつ、雙連朝市
文昌宮という廟を中心に、南北に広がっています。
 
 

 

文昌宮には学問の神様「文昌帝」が祀られており
受験生にも人気のある廟なんだそうです。
 
 
 
 
 
 
 
活気ある朝市の中に静かな祈りの場が同居しています。
 
 
 
 
 
 
 
魚や野菜、果物、食料品などが狭い路地の両側に延々と並んでいます。
整然と商品が並ぶスーパーマーケットではけっして味わうことのできない
人と人の距離の近さとリアルな質感があふれています。
 
朝市や市場は、都市を活性化させる潤滑油のような場、
ドライな現代の都市にこそ、もっとも必要な都市の装置です。
 
 
 
 
 
こちらの加工食品、かなりのウェット感が高温多湿の台北の街らしい。
試しに湯葉のようなもので巻いた右のものをゲット、なかなかの美味です。
 
 
 
 
 
こちらは台湾版のクレープのよう。
中国語はわからなくても、ジェスチャー付で「これひとつ」と言えば
ちゃんとコミュニケーションは成立します。
 
 
 
 
 
 
オッとその時、一台の車が割って入ってきました。
人であふれるこの狭い路地をわざわざ通るか!?
 
まるで無法地帯のようですが
いや、これこそが台湾では当たり前のルールなのかもしれません。
 
誰も騒ぐことなく、平然と車をやり過ごしていく姿に
混沌を柔軟に受け入れていく人間の強さのようなものを感じます。
 
 
 
 
 
朝市のそばには地下鉄MRTの駅からつづく公園があり
買ったものをこちらでのんびりといただくこともできます。
そこにはおこぼれにあずかる鳩たちも・・・
 
ここには余計なルールがあまり存在せず、まさに平和な場所といえるでしょう。
 
 

週末連載 台湾32

 

雙連朝市のそばにある豆乳の店、世紀豆漿大王
 
以前、北京の屋台で食べた豆乳スープがあまりに美味かったので台北でも再来、
ということでやってきたのがこの店。
 
 
 
揚げパンが入った熱々の豆乳スープにさらに揚げパンを追加。
追加の揚げパンは、ちぎってスープにつけながら食べると、これがまたうまい。
 
素朴な朝ごはんですが
昔ながらの朝食文化が味わえるこの店、台湾のリアルを実感できます。
 
近隣には日本人観光客向けのホテルもあり、都市化がどんどん進んでいますが
この店が「変わらない」存在であり続けているという事実はすごいことです。
 
そういえば、伊東豊雄さんが築地の豊洲移転について、
混沌としてリアルな場所がどんどん消えていくのはよくない、とラジオで話していました。
 
台湾には、混沌やリアルを許す文化力(民力)が確かに存在し、
その力は時として経済力に勝っています。
 
この懐の深さのおかげで、この朝も幸せな時間をごちそうさま!
 
 
 
 

週末連載 台湾31

2ヶ月ぶりの更新ですが
改めて台北のまちからのレポートを続けます。
 
この日の朝は、雙連朝市近くの「世紀豆漿大王」をめざして歩く。
と、晴れていた空が一転、暗くなりスコールのような雨。(午前7時過ぎ)
 
 
 
 
 
台湾の雨季はとにかく雨が多い。
それでも、以前にも触れたビルの1階の連続した通路があるために
雨に降られてもそんなに困らない。
 
この軒下通路、あれから色々調べたところ、「亭子脚」というもので
もともと東南アジアに文化的背景をもつ構造物で
それを日本の植民地時代に都市の構造として体系化したものだそうです。
 
アジアの伝統文化と日本の持ち込んだ近代思想がうまく溶け合い
いまでは、台湾のまちの「当たり前の風景」となっています。