宇部の家では、リノベーションに伴い耐震改修することが決まり
今回もグリーンデザインオフィスにお願いして
改めて現況の詳細について調査を行いました。
平面、高さ、各部材の寸法などの実測を行い
建物の歪みや部材の劣化状況、含水率など
丸一日かけて調べていただきました。
![](http://www.time-archi.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6330-460x345.jpg)
今回、また新たな秘密兵器が登場、
その名も「360度カメラ」
既存の建物にはかなりの情報量が詰まっていますが
図面が残っていない場合、それらをできるだけくまなく把握する必要があります。
しかし、限られた時間ですべての情報をチェックするのは大変で
また、見逃してしまう情報があった場合には再調査が必要になったりします。
その手間を少しでも軽減してくれる頼れる武器として重宝しそうです。
![](http://www.time-archi.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6409-460x345.jpg)
一通り寸法を取り終えたところで
各部屋の床の傾きをチェックしていきます。
これによって建物の沈下状況を推定します。
![](http://www.time-archi.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6415-460x345.jpg)
これは柱の傾きを図っているところ。
各部屋の柱を測定したところ、予想以上に柱が傾いていることが判明。
土地の地形の影響もあり、家全体が同じ方向に歪んでいるようです。
![](http://www.time-archi.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6428-460x345.jpg)
床下も確認。
建築基準法ができる前の昭和初期の建設でもあり
柱は掘立て式ですが、どうもその後にレベル調整された痕跡があります。
これらの状況を総合的に検討した結果、
床下にジャッキを入れて、
家の傾きを修正していく方向で調整を進めることになりました。
![](http://www.time-archi.com/wp/wp-content/uploads/2021/09/IMG_6386-460x345.jpg)
構造の現場調査に合わせて、私は改修部分の現状をチェック。
写真は各部屋の床レベルの状況です。
右上の和室と左上の内縁は建設当時のままのようで敷居の高さ分の段差があり
手前中央の玄関ホールは、その後に改修されたようで、床レベルが異なります。
改修では、これらの部屋を一体化することを検討しており
床レベルの調整が必要になります。
その他にも、玄関や窓位置の変更など、
改修に伴って解決しなければならない検討事項をピックアップしていきました。
これらの情報の上に建主のご要望を重ね合わながら
この家にとっての最適解を探していきます。