大内町の整形外科

category:  clinic
location:   山口県周南市
site area:  1240m²
floor area:  453m²
completion: 2002.10

車の通行量が多い、間口54mの広い敷地に計画された整形外科の新築

最初に考えた外観のイメージはロードサイドのファミリーレストラン。これは、単なるイメージだけではなく、実際の使い方にも応用できる。仮に、将来病院として使わなくなったときに、まさにレストランやカフェなど別の用途にも転用できるように、構造上の壁を少なくした。

医療技術は日進月歩で新しくなるが、その一方で病院の空間は患者にとって決して心地よいとは言い難い。整形外科ではリハビリの機械も多いため、より人工的な雰囲気が強くなる。このような空間がもっと人間的で安らぎの感じられる場所になってほしいと思った。

ここでは、待合いやリハビリで患者さんが使う場所を、緑の土手の見える側に集めて全面ガラス張りとした。日本の伝統的手法である「借景」を利用し、道路の向こう側にある土手の緑を取込み、緑の中に浮かぶような空間にしようと考えた。その他、室内ができるだけ人工的にならないように、自然の光を間接的に取り入れたり、逆に照明器具はあまり目立たないように気を配っている。