臼杵の家、耐震調査と完了検査

 

臼杵の家では、建物の工事がほぼ終了し、
改めて完成後の耐震性能を常時微動計測機によって調査しました。
 
中庭をはさんだ2棟とも結果は良好で
地盤との共振に対しても安全であることが確認できました。

 

 

 

翌日には、検査機関による完了検査が行われました。
ダイニング側はまだ美装前で養生が残っていますが
建主こだわりの照明器具が入って、とてもよい雰囲気です。
 
 
 
 
 
 
リビングルームは養生もとれて、綺麗に仕上がっています。
引き渡しに向けて、これから最後の仕上げを進めていきます。
 
 
 

宇部の家、現況・劣化調査

宇部の家では、リノベーションに伴い耐震改修することが決まり
今回もグリーンデザインオフィスにお願いして
改めて現況の詳細について調査を行いました。
 
平面、高さ、各部材の寸法などの実測を行い
建物の歪みや部材の劣化状況、含水率など
丸一日かけて調べていただきました。
 
 
 
 
 
 
今回、また新たな秘密兵器が登場、
その名も「360度カメラ」
 
既存の建物にはかなりの情報量が詰まっていますが
図面が残っていない場合、それらをできるだけくまなく把握する必要があります。
しかし、限られた時間ですべての情報をチェックするのは大変で
また、見逃してしまう情報があった場合には再調査が必要になったりします。
 その手間を少しでも軽減してくれる頼れる武器として重宝しそうです。
 
 
 
 
 
 
一通り寸法を取り終えたところで
各部屋の床の傾きをチェックしていきます。
これによって建物の沈下状況を推定します。
 
 
 
 
 
 
これは柱の傾きを図っているところ。
各部屋の柱を測定したところ、予想以上に柱が傾いていることが判明。
土地の地形の影響もあり、家全体が同じ方向に歪んでいるようです。
 
 
 
 
 
 
床下も確認。
建築基準法ができる前の昭和初期の建設でもあり
柱は掘立て式ですが、どうもその後にレベル調整された痕跡があります。
 
これらの状況を総合的に検討した結果、
床下にジャッキを入れて、
家の傾きを修正していく方向で調整を進めることになりました。
 
 
 
 
 
 
構造の現場調査に合わせて、私は改修部分の現状をチェック。
写真は各部屋の床レベルの状況です。
 
右上の和室と左上の内縁は建設当時のままのようで敷居の高さ分の段差があり
手前中央の玄関ホールは、その後に改修されたようで、床レベルが異なります。
 
改修では、これらの部屋を一体化することを検討しており
床レベルの調整が必要になります。
 
その他にも、玄関や窓位置の変更など、
改修に伴って解決しなければならない検討事項をピックアップしていきました。
 
これらの情報の上に建主のご要望を重ね合わながら
この家にとっての最適解を探していきます。
 
 
 

臼杵の家、耐震チェック

先週に引き続き、照明や電気の打合せと耐震調査のため
臼杵の現場に行ってきました。
 
耐震調査ではやや大スパンで特殊な架構となるキッチン部分について
設計通りの強度がとれているか、現地で確認を行いました。
 
 
 
 
 
最初にトラス梁の接合部の仕様や部材の留付けの状態など
構造設計の仕様と現場の施工状況を照合。
 
 
 
 
 
仕様の確認が終わったあとは常時微動の測定です。
以前、櫛ヶ浜の家の耐震調査でも使用した測定器で
実物の建物での固有周期を測定します。
 
 
 
 
梁上に載せた測定器の振動がパソコンでデータ化され
建物の固有周期が測定されます。
 
現段階での固有周期は0.16秒で
新築の平屋部分としては良好な数値でした。
(一般的な木造の新築建物は0.1〜0.5秒)
 
 
 
 
最後に柱や梁など、部材のヤング係数も測定してもらい
耐震調査を終えました。
 
今回はやや複雑な架構になっていましたが
実際の測定により、耐震性が実証できました。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、常時微動計測

櫛ヶ浜の家で完了後の耐震性確認のため
グリーンデザインオフィスの岩田さんにお願いし、常時微動計測を行いました。
 
 
 
 
建物の小さな揺れは目には見えないですが、
風や人の動き、道路を走る車の振動の影響などで常に動いているそうです。
 
その微細な動きをこの10センチ角ほどの小さな機械で計測することができます。
これによって建物の硬さや揺れやすさなど、耐震性を判断することが可能です。
 
 
 
 
まず固有周期をは計測、
耐震改修前と比べて振幅が小さくなり、明らかに固有周期が短くなっています。
 
 
 
 
 
次に柱を押して建物に振動を加え、揺れの減衰を計測。
こちらも、改修前に比べて、減衰時間が確実に短くなっています。
 
今回、家全体をジャッキアップしてベタ基礎を設置し
骨組みに耐力壁を追加することで耐震性が確保されたことが証明されました。
 
あたかも高齢者が現役並みに若返ったといった感じで
古さと懐かしさを兼ね備えた家は、さらなる歴史を刻んでいくことでしょう。
 
 

耐震調査

 
 
 
DSC052339.jpg
 
櫛ヶ浜の町家にて耐震調査を行いました。
この装置は建物の揺れを測定するもので
これを小屋裏、2階床、1階床に置いて、それぞれの揺れを測定します。
 
今回は建物が古く、耐震診断の難易度も高いため、
経験豊富なグリーンデザインオフィスの岩田さんに調査を依頼。
 
 
 
DSC052337.jpg
 
小屋裏に昇って、小屋組をチェック。
梁には松の丸太が使われており、時代が現れています。
 
 
 
DSC052336.jpg
 
耐震性にも関わる土壁の壁厚もチェック。
 
 
 
DSC052335.jpg
 
測定されたデータがパソコンに写し出されます。
このデータからおおよその耐震性をチェックすることができるそうです。
 
 
 
DSC052338.jpg
 
お住いの家の中には、この町家の外観写真が額入りで飾られていました。
歴史を刻んだこの町家への思いが伝わってきます。
 
今回の調査結果をもとに、
未来に向けての再生プロジェクトに挑んでいきます。