何気ない風景@尾道散歩

尾道にオープンしたLOG
2回に分けてレーポートします。
 
まずは、LOGへ至るアプローチから。
 
尾道の商店街から国道を渡ると見える
道路と並行して走る山陽本線の高架をくぐるトンネルは
まるでにじり口のような坂のまちの入口です。
 
 
 
 
 
 
トンネルを抜けると千光寺公園に至る坂が現れます。
道沿いには所々に雑貨やカフェの小店が営まれています。
 
 
 
 
 
メインの坂道には等高線に沿った脇道が幾つかあり
そこにも味のある路地空間が展開しています。
 
 
 
 
こちらにも。
 
細い路地ばかりの迷路のような空間は
イタリヤや南フランスなど、地中海周辺の集落に酷似しています。
 
 
 
 
ときにはこんなものも・・・
 
狛犬ならぬコマネコ?
 
 
 
 
 
坂を見上げるとシュールな刈り込み!
 
もはやオブジェのようですが
以前東京の谷中で見たのとほぼ同じ造形は
まるでデジャヴのよう。
 
 
 
 
 
 
のぼってきた坂を振り返ると
家々の間に尾道のまちと海が見えてきます。
 
平地の少ない地形を生かして発展したまちの風景は
車社会の地方都市とはまったく異なっていて
古くて不便でも、深みのあるくらしの営みが息づいています。
 
さらに、今やその先の未来へ向けて
独自の文化がふつふつと発酵を続けています。
 

何気ない風景@トクヤマの煙突

見事な非対称の構成
 
産業道路を新南陽から東進すると見えてくる(株)トクヤマの煙突。
高度成長期をリアルタイムで生きてきた市民にとっての原風景です。
 
まったく美的考察のされていないはずのこれらですが
仮に利休や織部が今の世に生きていたら、
どのような美を見出すのか、興味が絶えません。
 
 
 

何気ない風景@川棚の杜

川棚温泉にあるコルトーホール、
そこで開催されている堀尾寛太さんの展覧会を見てきました。
 
作品が展示してあるバックヤードツアーにも参加、
日頃は入れない建物の機械室や倉庫などを案内いただき
ダクトや電気ケーブルと同化したような作品を見学。
 
その際、この建物のちょっとしたトリビアも教わりました。
 
 
 
 
 
それがこれ、
建物の真ん中にある、敷地裏側に抜ける通路(丸で囲ったところ)
 
この建物や舗装された道路がまだなかった時代、
この場所には、写真左の先にある神社や霊場への参道があったそうです。
 
その参道のルートを残すべく、作られたのがこのパスだそうです。
 
 
 
 
 
学芸員さんの説明にもとづいて
敷地裏にあたる手前の温泉街から参道を歩いてみました。
 
 
 
 
 
途中で右に折れて小道に入ると
住宅街の奥に宇宙船のようなホールの建物が出現!
 
 
 
 
瓦屋根と造形的なボリュームの取合せが秀逸。
 
 
 
 
 
さらに歩くとホールの裏側に開いた穴にたどり着きます。
見た目にはまったく神々しくない・・・?
 
 
 
 
 
穴の中に進むと表側へ上がる階段が見えてきました。
 
このバックヤード、
なんとも緊張感のない何気なさですが
逆にここが歴史上の参道であることの謎を深めているような・・・
 
 
 
 
 
 
階段を上がると表通りへ
道路の向こう側に神社へ上がる坂道が見えてきました(矢印部分)
 
 
 
 
 
道路側からの見返し
ホール側の階段から道路をまたいで神社に至る坂
 
 
 
 
坂道を進むと境内に上がる石段が現れます。
 
目には見えないけれど、確かに存在する神様への敬意、
それは、ゲニウス・ロキを感じるような不思議体験です。
 
堀尾さんの作品とともに2倍楽しめる川棚の杜でした。
 
 

何気ない風景@山口

衝突する民家、そしてワゴン車!
もしや地殻変動の影響か・・・?
 
ウォーホルの「自動車事故」のような衝撃的なシーンですが
周囲はいたって平穏のまま・・・
 
 
 
 
 
衝突部分(?)のディテールを見ると
軒といはきわどい寸法ですが、ギリギリ納まっている感じ。
 
お気付きの通り、地殻変動ではないようですが
家と家が引っ付いて建つ(しかもこの角度で)というイレギュラーが
このエリアにはまだ日常として存在しうるということが驚きです。
 

何気ない風景@辻の交差点

これは看板建築だろうか・・・?
 
いや、正確に言えば違うのでしょうが
城柵のような看板によって重厚な建物が要塞化。
 
国道2号と315号が交わる県内屈指の渋滞スポットに
しっかりと対峙しています。
 
一方、アナログな平面看板のパッチワークは
社会の要請によって変化を重ねる動的なメディア建築でもあります。
 
 
 

何気ない風景@城ヶ丘の家の非日常

新緑の中庭
 
GWのいつもとは違うゆったりとした時間、
その時間の動きのなかで見えてくる日常のなかの非日常たち
 
 
 
 
 
リビングにも朝日が降り注ぐ
 
 
 
 
 
こちらは夕暮れ近い頃のリビング
徐々に陰影が浮かび上がる
 
 
 
 
 
玄関からの長いリビング
静かな時間
 
 

何気ない風景@小郡

まるで兄弟・・・
 
日本特有の美意識「見立て」の手法を用いて
風景をややナナメから見直してみる「何気ない風景」
 
今回は、小郡の商店街から、
 シルバーの鋼板で覆われた2階建ての四角い建物。
 
元々は切妻、平入りの下駄履き住宅ですが
ある時期にファサード改修されて現在の姿になったようです。
 
左右どちらかの店が改修したのを見て
「これはいい!」と思ってお隣もそれに倣ったのか?
それとも、本当に兄弟店で話し合って外観を揃えたのか・・・?
 
真相は定かではありませんが
となり同士で仲良く同じ衣装を着せられた感じが愛らしくもあります。
 

 

2018.4.20 設計事務所 TIME

 

 

何気ない風景@駅前図書館

床に浮かび上がったチェック模様
 
2月3日にオープンした話題の周南市立駅前図書館、
建築目線で見つけたささやかな風景です。
 
影を落としているのは手すりの竪格子。
細い角鋼をわざわざダブルに組んだ手の込んだつくりです。
 
建築好きでなければまず気がつかない細工ですが
照明効果によって思いがけず、作者の思いが現れました。
 
 
 

何気ない風景@下関のロンドン

道路に沿って連なる建築群
 
HM養成講座で田中絹代ぶんか館に向かう途中、
日本らしからぬ風景に遭遇。
カーブする建物の連続が、まるでリージェント・ストリートのようです。
 
 
 
 
それがコレ、
19世紀、産業革命で活気づくロンドンに都市基盤の一つとして計画され
オスマンによるパリ大改造にも影響を与えたと言われています。
 
 
 
 
しかし、
ここにはさすがに「都市計画」の香りが漂いません。
 
 
 
 
改めて周囲を見ると
この建築群、なんと川の上に建っています。
 
 
 
 
ググってみると、一目瞭然。
ちょうど川の方向が変わるコーナーに建っています。
 
川の流れに身をまかせたゆえのカーブには、
自然に身を委ねる日本的な思想があるのかもしれません。
 
果たして思想が深いのか、それとも深読みしすぎなのか・・・
 
 

何気ない風景@福山本通商店街

早朝のまちなか風景
 
ややくたびれた感じの商店街、
歯抜けになった敷地が奥に二つ連続してできたまちのエアポケットです。
そしてその先に見える白いパラソルは・・・
 
 
 
 
 
その正体はこれ。
 
かつてはまちの中心商店街だった本通、時代の変化でシャッター通りが進行。
昨年、通りのアーケードを撤去し、四季を感じる居心地のよい空間に様変わりしました。
設計は地元の建築家、前田圭介氏
 
 
 
 
 
 
撤去されたアーケードの代わりに7000本のステンレスワイヤーが張られ
夜はライトアップで金色に光ります。
 
おそらく現実的な選択から電柱と電線は地中化せず露出していますが
無数のワイヤーはかすかなフィルターとなり、その風景をマイルドにしています。
 
 
 
庭のような居心地になるとカフェもまちに開かれ、
通りの雰囲気はさらによくなっていきます。
 
 
 
 
おそらく老舗のお茶屋さんですが
通り沿いに整備された緑が店を引き立てています。
 
 
 
朝早くから植栽に水やりをする人がいました。
「大変ですね」声をかけると、「大変だよ」と。
水やりは商店街の決まりなんだそうです。
 
緑は手入れしないとすぐ枯れてしまいます。
生き生きとした状態を保つには常に手入れが欠かせませんが
緑の状態を見れば、みんなが協力して維持しているのがわかります。
 
 
 
 
潤いのある緑、そしてベンチ。
居心地を生み出すための必須アイテムたちが
寂れかけたまちの復活をアシストしています。