櫛ヶ浜の家、常時微動計測

櫛ヶ浜の家で完了後の耐震性確認のため
グリーンデザインオフィスの岩田さんにお願いし、常時微動計測を行いました。
 
 
 
 
建物の小さな揺れは目には見えないですが、
風や人の動き、道路を走る車の振動の影響などで常に動いているそうです。
 
その微細な動きをこの10センチ角ほどの小さな機械で計測することができます。
これによって建物の硬さや揺れやすさなど、耐震性を判断することが可能です。
 
 
 
 
まず固有周期をは計測、
耐震改修前と比べて振幅が小さくなり、明らかに固有周期が短くなっています。
 
 
 
 
 
次に柱を押して建物に振動を加え、揺れの減衰を計測。
こちらも、改修前に比べて、減衰時間が確実に短くなっています。
 
今回、家全体をジャッキアップしてベタ基礎を設置し
骨組みに耐力壁を追加することで耐震性が確保されたことが証明されました。
 
あたかも高齢者が現役並みに若返ったといった感じで
古さと懐かしさを兼ね備えた家は、さらなる歴史を刻んでいくことでしょう。
 
 

櫛ヶ浜の家、虹ケ浜の家 お引き渡し

櫛ヶ浜の家と虹ケ浜の家の工事が完了、
同日に2軒のお引き渡しが行われました。
 
櫛ヶ浜の旧道に面する町家は、耐震改修と防火改修を行い
まち並みにまた新たな歴史を伝えていくことでしょう。
 
 
 
 
虹ケ浜の家では、1mかさ上げされた土地での新築、
リビングからつづく軒の深い縁側空間があり、その先の虹ケ浜を望むことができます。
 
 

櫛ヶ浜の家、足場解体

足場が取れた道路側の外観。
 
着工から10ヶ月、家揚げや構造補強、屋根の葺き替えなど、
職人さんたちの数え切れないほどの奮闘がありましたが
再び、まちにその姿を現しました。
 
 
 
 
2階正面外観。
雨戸と板壁はまっさらな漆喰壁に化粧直しされ、
準防火地域の規制に従って防火窓に取り替えられています。
 
 
 
 
 
玄関の格子戸も取り付け完了しました。
アルミ製の既製品ですが、竪格子は古い建物との相性も良さそうです。
 
 
 
 
 
 
座敷部分から玄関側の見返し。
 
手前左に1枚ほど構造補強の壁が追加されましたが
その他は、できるだけ既存の間取りを残しています。
 
玄関から漏れてくる光によって、
建物に生気が蘇ってきたような感じがしてきました。
 
 

櫛ヶ浜の家、内外装工事

櫛ヶ浜の家、既存棟と増築棟のそれぞれに工事が進んでいます。
 
既存棟道路側の屋根、
破風を漆喰で塗り込んだ姿は改修前の意匠を引き継いでいます。
 
 
 
 
下野の屋根、水切り瓦の継ぎ目も改修前の姿に合わせ
ひとつひとつ漆喰で固めています。
 
 
 
 
玄関引戸のサッシュ枠がようやくはまりました。
 
準防火地域に対応した4枚引戸の防火窓はないのですが
町屋らしい間口広さを生かすため、防火袖壁とサッシュラインのセットバックで
延焼ラインをかわし、なんとか元の意匠と機能を両立しています。
 
 
 
 
 
既存棟から増築棟への渡り廊下。
 
ほの暗い既存棟から明るい空間へ
まるで100年ほどの時間をタイムスリップする気分です。
 
 
 
 
敷地両側に隣家が迫る密集市街地ですが
思いのほか、光が差し込む明るいリビングになっています。
 
 
 
 
 
天窓付きのキッチンも明るく、窮屈さを感じさせません。
 
 
 
 
増築棟西側外観。
増築棟はダークブラウンの波板張り。
その奥には既存棟の2階屋根が垣間見えています。
 
完成までもう一息、残工事が進んでいます。
 

櫛ヶ浜の家、棟上げ

櫛ヶ浜の家で増築部分の棟上げが行われました。
古くからある密集市街地の細長い敷地での工事はなかなか大変ですが
狭い空間の中でも上手にクレーン作業が進められました。
 
 
 
 
台風が去り、晴天のもと、無事棟上げ完了しました。
増築棟の奥にある既存棟と対になる形で奥行きのある住空間となっています。
これから、既存棟とともに仕上げ工事に進んできます。
 
 

櫛ヶ浜の家、配筋検査

櫛ヶ浜の家では、増築部分の基礎工事が進行中。
配筋検査を行いました。
 
 
 
 
土間や立上り部分の鉄筋径、間隔、継手の長さなどをチェック。
 
 
 
 
土間部分のかぶり厚さチェック。
こちらはかぶりが4センチしかないため、
スペーサーを入れ直してかぶりの修正を指示。
 
 
 
 
こちらのかぶり厚さは十分です。
 
 
 
 
櫛ヶ浜特有の鰻の寝床状の細長い敷地の奥行きを生かした増築棟、
既存棟との間にあるマキの木を残し、
坪庭をはさんで新旧の空間が向かい合う形になります。
 

櫛ヶ浜の家、瓦工事

2階屋根、瓦工事施工中。
骨組みの補強が概ね終わり、外部では瓦工事が進んでいます。
 
 
 
 
こちらは吹き替える前の2階屋根。
約100年の間に受けた台風などの影響で、屋根はかなり歪み、波打っていました。
 
 
 
 
 
今回、大工さんと瓦屋さんが苦心しながら調整してくれたおかげで
新しい屋根は、見た目には歪みがあまり目立たないようになっています。
 
 
 
 
瓦の葺き替えに合わせて、鬼瓦も新調。
中心に家紋も組み込まれています。
 
 
 
 
 
家紋付きの鬼瓦が取り付けられたところ。
 
骨組みの補強工事にかなりの手間と時間が取られましたが
ようやく、家の再生が目に見えるかたちになりつつあります。
 

櫛ヶ浜の家、耐力壁工事

1階の耐力壁の取付が始まっています。
 
この家が建ったのは、建築基準法が制定されるはるか前、
今回、科学的な構造計算により、確実な構造補強が行われています。
 
 
 
 
足元部分は柱が腐食していたため、
傷んだ部分を切断し、その下に土台を入れてつないでいます。
 
 
 
 
柱上部の傷んだ梁部分も新たな材を入れて補強しています。
 
ご予算とのせめぎ合いもあり、
仕上げで隠れる範囲は、強度を確認しながら臨機応変に対応していきます。
 
 

櫛ヶ浜の家、2階屋根工事

1階屋根下地工事が終わり、2階屋根の解体。
昔の屋根は断熱用の土がのっていましたが、トラックにもその土が被っています。
 
 
 
 
昨日今日と炎天下の中、土埃りにまみれての解体工事、
本当に大変そうです。
 
 
 
 
右脇の足場に置いてあるのは、屋根下地に使われていた杉皮。
これが、現在の防水紙の代わりとして使われていました。
 
性能的には現在のルーフィングのほうが格段に優れていますが
この杉皮はある意味、自然に還る循環型の素材だったわけで
建築の未来を考える上で、今後、何かのヒントになるかもしれません。
 
 
 
 
瓦屋根を支えていた屋根垂木。
 
断面は45角ですが、部分的に欠けて細くなっていました。
この華奢な断面で、よく土と瓦を支えられたものです。
 
 
 
 
組み替えられた屋根垂木。
新設の垂木の断面は60╳45、今度は土を載せないこともあり
しっかりとした屋根となります。
 
 
 
 
1階内部では引き続き骨組みの補強工事が進んでいます。
こちらは腐食した足固めを新たな部材に付け替えたところ。
柱との接合部もしっかり固めてあります。
 
 
 
 
新たに加える耐力壁の部分に柱と土台が組まれました。
 
新築とは随分スピードが違いますが、
ひとつひとつ、着実に再生に向けて工事が進んでいます。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、骨組み補強

柱の根継ぎ工事4日目、
柱の背割り部分に埋め木をして、仕上げのかんな掛け。
これら、すべてが現場での手仕事です。
 
 
 
 
金輪継ぎ、ピッタリはまりました。
 
 
 
 
込栓を打ち込んで、しっかり固定。
 
 
 
 
1本につながった新旧の部材。
このあと、さらにかんな掛けして細かい段差をなくしていきます。
 
 
 
 
こちらはもう一つの難所、
建屋中央の傷んだ掘立柱を新しいものに取り替えて
もともとの足固め材を四方から差し直します。
 
 
 
 
力いっぱい掛矢で叩いても1回で数ミリしか動きません。
たいへんですが、その分しっかりとした接合部ができあがります。
 
 
 
 
どうしても入らないところを、少しずつノミで削って微調整。
 
 
 
 
 
ようやく3方の部材がはまりました。
このあと、X、Y方向のねじれをさらに修正するようです。
 
 
 
 
こちらは外周部の柱。
 
外壁解体時に足元の傷みが見つかったため、
足元部分を切断し、根継ぎする必要が出てきました。
この部分は新たに耐力壁にするため、やむを得ない判断です。
 
古い建物の解体修理では、事前調査では確認できない不確定要素があり
追加のコスト管理も含め、施工同様にしばらく難所が続きます。