櫛ヶ浜の家、棟上げ

櫛ヶ浜の家で増築部分の棟上げが行われました。
古くからある密集市街地の細長い敷地での工事はなかなか大変ですが
狭い空間の中でも上手にクレーン作業が進められました。
 
 
 
 
台風が去り、晴天のもと、無事棟上げ完了しました。
増築棟の奥にある既存棟と対になる形で奥行きのある住空間となっています。
これから、既存棟とともに仕上げ工事に進んできます。
 
 

櫛ヶ浜の家、配筋検査

櫛ヶ浜の家では、増築部分の基礎工事が進行中。
配筋検査を行いました。
 
 
 
 
土間や立上り部分の鉄筋径、間隔、継手の長さなどをチェック。
 
 
 
 
土間部分のかぶり厚さチェック。
こちらはかぶりが4センチしかないため、
スペーサーを入れ直してかぶりの修正を指示。
 
 
 
 
こちらのかぶり厚さは十分です。
 
 
 
 
櫛ヶ浜特有の鰻の寝床状の細長い敷地の奥行きを生かした増築棟、
既存棟との間にあるマキの木を残し、
坪庭をはさんで新旧の空間が向かい合う形になります。
 

櫛ヶ浜の家、瓦工事

2階屋根、瓦工事施工中。
骨組みの補強が概ね終わり、外部では瓦工事が進んでいます。
 
 
 
 
こちらは吹き替える前の2階屋根。
約100年の間に受けた台風などの影響で、屋根はかなり歪み、波打っていました。
 
 
 
 
 
今回、大工さんと瓦屋さんが苦心しながら調整してくれたおかげで
新しい屋根は、見た目には歪みがあまり目立たないようになっています。
 
 
 
 
瓦の葺き替えに合わせて、鬼瓦も新調。
中心に家紋も組み込まれています。
 
 
 
 
 
家紋付きの鬼瓦が取り付けられたところ。
 
骨組みの補強工事にかなりの手間と時間が取られましたが
ようやく、家の再生が目に見えるかたちになりつつあります。
 

櫛ヶ浜の家、耐力壁工事

1階の耐力壁の取付が始まっています。
 
この家が建ったのは、建築基準法が制定されるはるか前、
今回、科学的な構造計算により、確実な構造補強が行われています。
 
 
 
 
足元部分は柱が腐食していたため、
傷んだ部分を切断し、その下に土台を入れてつないでいます。
 
 
 
 
柱上部の傷んだ梁部分も新たな材を入れて補強しています。
 
ご予算とのせめぎ合いもあり、
仕上げで隠れる範囲は、強度を確認しながら臨機応変に対応していきます。
 
 

櫛ヶ浜の家、2階屋根工事

1階屋根下地工事が終わり、2階屋根の解体。
昔の屋根は断熱用の土がのっていましたが、トラックにもその土が被っています。
 
 
 
 
昨日今日と炎天下の中、土埃りにまみれての解体工事、
本当に大変そうです。
 
 
 
 
右脇の足場に置いてあるのは、屋根下地に使われていた杉皮。
これが、現在の防水紙の代わりとして使われていました。
 
性能的には現在のルーフィングのほうが格段に優れていますが
この杉皮はある意味、自然に還る循環型の素材だったわけで
建築の未来を考える上で、今後、何かのヒントになるかもしれません。
 
 
 
 
瓦屋根を支えていた屋根垂木。
 
断面は45角ですが、部分的に欠けて細くなっていました。
この華奢な断面で、よく土と瓦を支えられたものです。
 
 
 
 
組み替えられた屋根垂木。
新設の垂木の断面は60╳45、今度は土を載せないこともあり
しっかりとした屋根となります。
 
 
 
 
1階内部では引き続き骨組みの補強工事が進んでいます。
こちらは腐食した足固めを新たな部材に付け替えたところ。
柱との接合部もしっかり固めてあります。
 
 
 
 
新たに加える耐力壁の部分に柱と土台が組まれました。
 
新築とは随分スピードが違いますが、
ひとつひとつ、着実に再生に向けて工事が進んでいます。
 
 
 

櫛ヶ浜の家、骨組み補強

柱の根継ぎ工事4日目、
柱の背割り部分に埋め木をして、仕上げのかんな掛け。
これら、すべてが現場での手仕事です。
 
 
 
 
金輪継ぎ、ピッタリはまりました。
 
 
 
 
込栓を打ち込んで、しっかり固定。
 
 
 
 
1本につながった新旧の部材。
このあと、さらにかんな掛けして細かい段差をなくしていきます。
 
 
 
 
こちらはもう一つの難所、
建屋中央の傷んだ掘立柱を新しいものに取り替えて
もともとの足固め材を四方から差し直します。
 
 
 
 
力いっぱい掛矢で叩いても1回で数ミリしか動きません。
たいへんですが、その分しっかりとした接合部ができあがります。
 
 
 
 
どうしても入らないところを、少しずつノミで削って微調整。
 
 
 
 
 
ようやく3方の部材がはまりました。
このあと、X、Y方向のねじれをさらに修正するようです。
 
 
 
 
こちらは外周部の柱。
 
外壁解体時に足元の傷みが見つかったため、
足元部分を切断し、根継ぎする必要が出てきました。
この部分は新たに耐力壁にするため、やむを得ない判断です。
 
古い建物の解体修理では、事前調査では確認できない不確定要素があり
追加のコスト管理も含め、施工同様にしばらく難所が続きます。
 
 

櫛ヶ浜の家、骨組み補強工事始まる

隣地側外壁を解体したところ
 
耐震補強を行うため土壁を撤去したところ、
隠れていた部分に新たな傷みが見つかりました。
(写真の柱1、2)
 
 
 
 
柱1の足元は腐っていて、ほとんど宙に浮いている状態。
 
 
 
 
柱の上部まで傷みがはげしく、
おそらく雨漏りなどによるものと思われます。
 
 
 
 
 
柱上部の梁も一部傷みが見られます。
 
 
 
 
 
柱2の足元の傷み具合。
こちらは外壁の鉄板を剥がした際に見つかったもの。
 
 
 
 
 
これは道路側の土間部分にある足固め。
柱との付け根が傷んでいます。
 
 
新たに見つかった部分も含め、構造強度に影響する部分は
補強方法を検討の上、手直しをする方針です。
 
 
 
 
母屋の柱の根継ぎが始まりました。
 
足元がシロアリに食われて潰れていた柱の下側を切断し、
新たな柱に組み替えていきます。
 
写真は金輪継ぎと呼ばれる強固な継手です。
 
 
 
 
 
しっかりはまった!・・・と思ったら
まだまだ調整が必要なんだそうで、この柱の加工だけでもう3日目だそう。
 
 
 
 
 
こちらは柱の足元部分。
既存の足固めとの接合部の具合を調整しています。
 
 
 
 
その柱を一旦外したところ。
伝統的で複雑な接合部の形状です。
 
 
 
 
既存の柱、上部の接合部。
立ったままの柱の状態で手刻みの加工は想像以上に手間がかかりそうです。
 
 
 
 
 
こちらは、傷んだ足固め材のかわりに組み替えられるもの。
こちらも既存の部材に合わせて現場で加工中。
 
 
 
 
外部では1階の屋根の葺き替え(下地まで)が終わり、
2階屋根解体用の足場が組まれました。
来週は2階屋根の葺き替えが行われる予定です。
 
 

櫛ヶ浜の家、化粧軒裏工事

道路側の屋根工事
 
道路に面したこの部分は準防火地域の規制に合わせる必要がありますが
もともとの化粧軒裏の意匠を生かすため、あえて一旦解体。
見た目はほとんど変えずに準耐火構造の仕様で作り直します。
 
 
 
化粧野地板に使われているのは30ミリの厚板。
実(さね)部分が赤く見えるのは、既存に合わせたベンガラ塗り。
 
 
 
この部分の骨組みは母屋側に少し傾いていたため
補強のための横つなぎ材を加えます。
写真は既存の桁材にほぞ穴を開けているところ。
 
 
 
 
横つなぎ材を既存の骨組みの長さに合わせるため
仮組みしては削ることを何度も繰り返しながら少しずつ寸法調整、
新築の何倍もの手間がかかっています。
 
 
 
 
作り直された化粧軒裏(室内天井部分)
新たにベンガラで塗られた天井は、既存の骨組みに比べて赤色が鮮やかです。
 
古い材に合わせて色を調整することもできるのですが
あえて歴史のリアリティを生かすことを大切にし、
時間の経過によって生まれる自然な調和に期待を込めています。
 
 
 
 

屋根解体工事

連日、暑い日が続きていますが
現場では既存屋根の瓦の撤去作業が行われました。
炎天下の中、1枚1枚の手作業、本当にご苦労様です。
 
 
 
 
1階道路側の屋根下地、見上げ
 
既存垂木のサイズは60⨉50前後(現在の規格とは違います)
化粧軒裏の意匠を維持したまま準耐火構造にするため
垂木と野地板は一旦解体し、納まりや部材寸法が改められます。
 
 
 
 
西面2階既存屋根
両端が中央に比べて下がっているのがわかります。
こちらも隅木を入れ直して、矯正していきます。
 
 
 
 
入母屋、隅棟部分の状態
 
瓦を固定していた漆喰は剥がれ落ちており、かなりの瀕死の状態。
風雪に耐えてきた屋根、ようやくお役ご免となります。
 
1箇所1箇所に現代とは規格や納まりの違いがあり、かつ劣化の状況も様々です。
意匠の継承、耐久性、施工性、コストなど多くの変数が絡み合う中で
最適解を求めて大工さんと相談しながら施工方針を定めていきます。
 
 

櫛ヶ浜の家、屋根工事

既存屋根の解体工事が始まりました。
梅雨の晴れ間をぬって、下屋の屋根 → 2階屋根と順を追って進めます。
 
 
 
 
 
棟部分の家紋入りの瓦
 
この瓦は、お施主さんの思い入れも深く
既存屋根に残る記憶の一部として新しい部材で復元します。
 
 
 
 
2階外壁下の水切り瓦
 
3段ののし瓦は、上段と下段の間は青海波の洒落た意匠が施されています。
正面だけですが、こちらも新しい瓦で復元する予定です。
 
 
 
 
 
 
既存の瓦、軒先の万十の形状
左側は丸いふくらみがありますが右二つは平らな形になっています。
 
 
 
 
新調する瓦、軒先のイメージです。
屋根屋さんによると、石州瓦では瓦の前垂れ部分に模様が入るそうです。
一瞬、カニが描かれているのかと思いましたが、正式には唐草模様なんだそうです。
 
限られた予算の中では、あらゆる場面で取捨選択の判断に迫られますが
少しでも思いや記憶、そして建築としての有り様を刻めるよう配慮していきます。