手間の蓄積について

大神の家、2階室内の板貼りが進んできました。
 
今日も現場はかなり冷え込んでいますが
大工さんが板の並びを考えながら一枚一枚吟味して丁寧に貼ってくれています。
 
手間を省いて早く仕上げるのが主流の時代ですが
だからこそ手間暇かける仕事には意味があると考えます。
 
すぐに完成する家にはない手間の蓄積は
住むほどに味わいを増してくれることと思います。
 
 

大神の家2 板壁仕上げ

大神の家では室内の板壁仕上げ工事が始まっています。
 
本来下地用に使うヌキ板によるざっくりとした仕上げは
新建材のような表面的なキレイさとは対極的で、ちょっとワイルドです。
 
山小屋のような表情も連想させますが
開口部まわりは意識的にすっきりと納めてもらい
壁が切り取られているイメージをクリアにしています。
 
 
 
 
 
 
開口部の上側は壁勝ちにして窓枠を目立たないように納めています。
 
 
 
 
 
 
逆に開口部の下側はホコリ溜りになりやすいので
超仕上げの板材を枠勝ちにして掃除がしやすいように配慮しています。
 
ざらつきのある壁板との違いがわかるでしょうか?
 
 
 
 
 
 
壁の表情
 
仕上げ用の板ではないので木目も節もラフなところがあり
留めていたバンド部分の日焼け跡もあるがままに使っています。
 
粗めの素材に対し、大工さんの仕事はとても丁寧です。
この粗めと丁寧の掛け算が、常識的な壁とは違う
新しい空気感を空間に与えてくれると期待しています。
 
 

臼杵の家、耐震チェック

先週に引き続き、照明や電気の打合せと耐震調査のため
臼杵の現場に行ってきました。
 
耐震調査ではやや大スパンで特殊な架構となるキッチン部分について
設計通りの強度がとれているか、現地で確認を行いました。
 
 
 
 
 
最初にトラス梁の接合部の仕様や部材の留付けの状態など
構造設計の仕様と現場の施工状況を照合。
 
 
 
 
 
仕様の確認が終わったあとは常時微動の測定です。
以前、櫛ヶ浜の家の耐震調査でも使用した測定器で
実物の建物での固有周期を測定します。
 
 
 
 
梁上に載せた測定器の振動がパソコンでデータ化され
建物の固有周期が測定されます。
 
現段階での固有周期は0.16秒で
新築の平屋部分としては良好な数値でした。
(一般的な木造の新築建物は0.1〜0.5秒)
 
 
 
 
最後に柱や梁など、部材のヤング係数も測定してもらい
耐震調査を終えました。
 
今回はやや複雑な架構になっていましたが
実際の測定により、耐震性が実証できました。
 
 
 

100年単位で考える

 

 

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縁あって、見せていただいた住宅の現場。

つくっているのは、錦帯橋の架け替えを手がけた海老崎棟梁

ローコストと言いながらも、しっかりとした骨組みです。(接合部に注目)

 

法律では、住宅の骨組みに10年保証が義務付けられていますが

「そんなもん、瞬きみたいなもんですよ」と棟梁。

そこには、100年単位でものづくりをする技と哲学がありました。

 

2012.9.21 設計事務所 TIME

 

上物

 

木目の表情が豊かです。

 

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このブログでも時々登場する大工の有井さん、

築30年の住宅の床をリフォームするというので現場を拝見。

 

掘り出し物の杉材を見つけたとのこと、

小国産の杉は、油ののった松のような表情です。

目も詰まっていて、長持ちもしそうなこの杉は

魚で言えば、トロのような上物です。

 

2011.8.26 設計事務所 TIME

 

 

デザイン@賀茂神社

 

賀茂神社本殿、側面のデザイン。

 

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右角の柱とその上の梁は平面上ずれていて

それを複雑な組み物で調整して力を伝達しています。

 

大事な本殿を風雨から守りたくて,

少しでも軒を深くするためにずらしたのか?

 

定かではないですが、

マニュアルにはないオリジナルデザインです。

 

神社なんてどこも同じと思いきや、なかなか、大工の知恵と業が光ります。

とは言え、ちょっとマニアックではありますが・・・

 

2011.2.17 設計事務所 TIME

 

木造のこだわり

 

ただいま、検査中。

 

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大工の有井さんが神社の鐘楼をつくり直したというので

完成した鐘楼の耐震検査を見学させてもらいました。

 

建物の硬さや粘りが判断できるソフトを使って

X,Y軸の水平方向、床の上下振動を計測。

これで、固有周期を割り出し、構造の安全性を確認します。

 

 

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金物を使わず、木組みを生かした構造が、有井さんのこだわり。

古い小屋組と新しくなった胴部分の新旧の組合せで

これからも大切な鐘をずっと守っていきます。

 

2011.2.11 設計事務所 TIME

 

怪物、逝く

 

「お前は女を知らんだろう!!」

 

開口一番、

部屋に入った瞬間に浴びせられた一言。

 

設計事務所での修行時代、

所長のかわりに話を聞くように言われて向かった応接室での出来事。

 

海坊主のようなギョロ目で丸坊主の大男こそ

かの田中文男氏でした。

 

木は女と一緒だ!

女を知らんと木は扱えん!!

 

そんな話をまくし立てていたような記憶しかないですが

数分間の接触は強烈な印象を今も残しています。

 

その氏が8月9日にご逝去されたそうです。

木造の「も」の字も知らなかった私が最初に洗礼を受けた貴重な方です。

心より、ご冥福をお祈りします。

 

関連記事はこちらから

http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/knp/column/20100817/542858/

 

2010.8.18 設計事務所 TIME

 

 

本当の木造を知っていますか?

 

土曜日に阿知須の北方八幡宮を見学しました。

現在、修復工事中の木造建築物です。

 

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鳥居の奥に見えるのが修復中の楼門、

ヘルメットを被って腕組みしているのが今回、工事を担当する 「親分」。

 

 

楼門は、やや頭でっかちですが、なかなかの威容。

 

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しかし、頭でっかちのせいか(?)だいぶ傾いてます。

現在、足元をジャッキアップしているところ。

 

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今回、特別に上がらせてもらった2層部分。

 

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江戸時代の建物らしいですが、屋根の重みで下がってきています。

 

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それでも、

その隙間から木組みの仕組が見て取れます。

斗供と言われる組物を間近でチェック。

 

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木と木を組み合わせながら複雑な形をつくっています。

 

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長い年月、風雨にさらされ、骨組みは歪んでいますが

それでもある程度の修復は可能です。

 

こちらは、楼門の奥にある拝殿と本殿。

楼門にも増して、優美な姿です。

 

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木と木を巧みに組み合わせた日本伝統の技に

木造の本当の姿を垣間見たような気がします。

 

2010.5.31 設計事務所 TIME