やまぐち建築セミナー、内藤さん再来

周南建築セミナー、
2002年に続き、内藤廣さん2回目の講演会です。
 
前回の会場は建替え前の徳山駅ビルでしたが
今回は内藤さん設計により建替えられた徳山駅前図書館での開催です。
 
 
 
 
講演会に先立ち、
我々建築士会のまちづくりメンバーと、いつもの喫茶店にてミーティング、
現在作成中の景観提案書にたくさんのアドバイスをいただきました。
 
 
 
 
その後、駅前図書館に移動して講演会。
 
旧来型の作品紹介のような講演会とは異なり、
内藤さんが来場者からの質問にアドリブで答えていくというスタイル。
 
ライブ感満載、生きた言葉のメッセージをお聞きする90分、
とても刺激的で画期的な講演会で、多くの気づきをいただきました。
 
 
 
 

全国まちづくり会議 in 兵庫

神戸で行われた全国まちづくり会議に
山口県代表として出席してきました。
 
会場は六甲山を望む石屋川沿いに建つ御影公会堂、
アールデコ洋式の印象的な外観が目を引く建物で、
以前にも一度視察に来たことがあります。
 
その後、耐震補強、全面改修を施され、
地域のシンボルとして再生されています。
 
 
 
 
 
会議1日目は24年前に起きた阪神淡路大震災を起点に
その前後に兵庫県が取り組んできたまちづくりの経緯、
市民協働のまちづくりの実践などを聴講。
 
 
 
 
 
震災での経験を経て住民参加によるまちづくりが促進され、
まちづくりの様々な課題を住民と行政が協働で解決していく
仕組みが強化されたことが印象に残りました。
 
 
 
 
 
2日目は未来に向けたまちづくりを具体的に議論。
 
防災・歴史・景観・福祉・空家対策という5つの切り口から
建築士として何ができるか、ワークショップなどを通じて模索しました。
 
 
 
 
 
 
震災により、神戸の歴史的建築物は半減したそうです。
まち並みもその後の再開発によって新旧のモザイク模様になりました。
 
しかし一方で、まちづくりに対する市民の意識は鍛えられ
傷を負いながらも、誇りあるまちを築き続けています。
 
今回の議論や体験を持ち帰り、
自分たちが住むまちのまちづくりに生かすべく
建築士として活動していくことが次の使命になります。
 
 

内田文雄先生、講演会

山口大学の内田文雄先生の講演会を聞いてきました。
 
山口大学に赴任されてからの18年の間に
様々な場面でお会いする機会をいただきましたが
今年度限りで大学を退官されるとのことで
最終講演を感慨深く拝聴しました。
 
演題は「耕すように、まちを育てる」
内田先生らしく、ある意味、無骨で泥臭く取り組んできた
建築によるまちづくりの実践をお聞きすることができました。
 
 
 
 
 
象設計集団時代、直接担当された名護市庁舎
 
私も5年前に実際に市庁舎を見学し、
市民に開かれた市庁舎の清々しさを実感しましたが
今回、ご本人から直接お話を伺うことができました。
 
 
 
 
内田先生はこの二つの考えをもとに
一貫した立場で建築に取り組んでこられました。
 
建築というと、
見た目のデザインや華々しい話題性がもてはやされがちですが
本当はもっと大切なことがあるのだという思いが凝縮しています。
 
地域社会に根を生やし、
そこに住む人が元気になり、育っていくための拠り所
 
先生の哲学が改めて胸に刺さりました。
 

駅前図書館、内覧会レポート3

再び2階へ、1階から続く吹き抜け空間
この図書館デザインの目玉である巨大な本棚です。
 
 
 
 
 
本棚には背表紙にまち並みが描かれたオブジェが飾られています。
2階の壁画とともに、
周南あけぼの園の徳原望さんが描いてくれたものだそうです。
 
 
 
 
 
吹き抜けの大階段を降りて1階へ
 
 
 
 
1階にはツタヤ書店のマガジンストリートが広がっていて
天井も高くゆったりとくつろげる空間です。
 
 
 
 
スターバックスコーヒー
12月からトレーニングしてきたというスタッフ、
周南のサードプレイスを目指して、がんばって下さい!
 
 
 
 
コーヒーのある心地よい時間、
そして気軽に文化に親しむことのできる市民の居場所
 
平成24年から何度も何度も議論を積み重ねた結果として生まれた交流施設が
ようやくオープンします。
 
新たな図書館建設には様々な意見があり、まだ賛否も別れています。
民間の運営を心配する声もあり、多少のトラブルもあるかもしれません。
足りないものも、あげればきりがないでしょう。
 
しかし、
まちに「市民の居場所を生み出す」という使命はひとまず、達成できそうです。
 
けれど、
大事なのはむしろこれからです。
 
この場所は行政やツタヤが与えてくれた場所ではなく、
市民みんなでつくっていく場所にならなければ意味がありません。
 
 クレームや愚痴を並べるより、ポジティブな行動こそが
周南のまちを豊かにしてくれることを忘れないでほしいと思います。
 
 
 

駅前図書館、内覧会レポート2

 
図書館3階の閲覧コーナー
 
カフェのような雰囲気の心地よい空間、
学生や若者たちのたまり場になること、必至ですね。
 
 
 
 
南側、窓越しに線路が見えるカウンター
 
ここで本を読んでいるとドクターイエローに出会えるかも。
電車好きにはたまらない場所かもしれませんね。
 
 
 
 
 
 
駅前広場へ開放された場所には、デザインされた椅子とテーブル。
ここから眺める風景も今後、センスよく進化してほしいですね。
 
 
 
 
 
交流室(写真奥)に近い東側の閲覧コーナー
 
机や椅子はそれぞれの場所で違うデザインにしてあり
市民が自分の好みで選べるように、いろんな居場所が用意されています。
 
 
 
 
閲覧コーナー奥の交流室2
60席の比較的大きなスペース、全面ガラスで開放感抜群です。
 
オープニングイベントとなる山崎まさよしのミニライブ、
藻谷浩介や内藤廣の講演会もこちらで行われるようです。
 
 
 
 
 
 
南北自由通路をはさんだ東側(南銀座商店街側)にある交流室1
中規模のこちらの部屋も開放感があって、気持ちよさそうです。
 
 
 
 
 
2階東側のキッズライブラリー
独立したこのスペースは子供達が楽しめるような造りになっていて
長い時間のびのびと過ごせそうです。
 
 
 
 
 
靴を脱いでくつろげるコーナー
 
 
 
 
キッズライブラリー専用のトイレ
オムツ替え用の台も常備されています。
 
 
 
 
駅前広場2階のオープンデッキ
 
まだ駅前広場の工事が続くため、今はちょっと殺風景です。
それだけに、椅子やテーブルに加えて緑の潤いがほしいですね。
 
 

駅前図書館、内覧会レポート1

明日オープンを迎える周南市立駅前図書館、
関係者用の開かれた内覧会に行ってきました。
 
 
 
 
 
まずは2階の南北自由通路からアプローチ
入ってすぐのところにあるのがツタヤ書店、書籍や雑貨などが販売されています。
 
 
 
 
 
真ん中には、いま話題の本たちが平積みにされています。
 
 
 
 
こちらは食や料理に関する本と関連グッズたち。
駅前図書館は、ライフスタイル関連のジャンルの充実が特徴です。
 
 
 
 
 
棚には様々な食品もディスプレイされていて
料理の本を参考にして、買い求めることもできます。
 
 
 
 
日本酒に関する本のコーナーもありました。
 
 
 
 
カウンター横には実際に日本酒が売られています。
 
公共施設でお酒を売っているというのも珍しい光景です。
規制緩和というお固い言葉のイメージではなく、
今の時代にふさわしい人間らしいくらしへの対応と受け取ればいいんじゃないですか。
 
 
 
 
入口すぐには周南市産品の特設コーナーも。
(観光案内所の機能がないのがこれからの課題です)
 
 
 
 
 
ツタヤ書店を抜けるとその奥が図書館につながっています。
こちらにもライフスタイルや旅行、デザイン関連の本が充実しています。
 
 
 
 
ツタヤ書店と図書館の間には明確な区切りがないため
かろうじて床に区分けが示されています。
 
行政の感覚ではなかなか手を出しにくいやり方ですが
これも民間の運営だからこそできたことでしょう。
 
将来、このサインすらなくなって
より自由で自立した時代がくることを願います。
 
 
 
 
 
図書館奥にはサービスカウンターがあり、
様々なサービスを行うスタッフたちがスタンバイしています。
 
 
 
 
 
駅前広場側は開放的な全面ガラスで
ドリンクホルダー付のベンチが設えてあります。
 
 
 
 
入口には車椅子やベビーカーも用意されて
ハンディキャップへの配慮がなされています。
 
 
 
 

駅前図書館、完成見学会

周南市と内藤廣建築設計事務所のご厚意により
建築士会の完成見学会が行われました。
 
 
 
 
 
色温度を抑えた温かい光、
無機質でドライだった駅前に潤いを与えています。
 
 
 
 
 
1階室内はまだがらんどうの状態ですが
奥にスターバックスのカフェ、手前にTSUTAYAの書籍物販コーナーが入り
まちに解放されたにぎわいの基点としての役割を担います。
 
 
 
 
 
スターバックス側からの見返し。
全長65mの長い長い空間は、建物というよりまちのスケールに近い。
スタイリッシュな空間に黄色いボックスがアクセントになっています。
 
 
 
 
 
天井から吊り下げられた行灯状の照明は
内藤廣建築設計事務所のオリジナルデザインです。
 
 
 
 
 
1階の天井高はかなり高く、3.85mあり
天井には全面に周南市鹿野の杉材が使われています。
 
次年度以降、駅前広場が完成したら
ガラス窓を通してまちと一体感のある空間がひろがることでしょう。
 
 
 
 
 
上階へのメインアプローチとなる大階段。
階段脇、吹抜けの壁面は、TSUTAYAで日本一高い本棚となるそうです。
 
 
 
 
 
2階、図書館の書架部分。
本棚は天井いっぱいまでありますが、所々がトンネル状に抜けていて
回遊しながら本棚をめぐることができるようになっています。
 
 
 
 
 
図書室には駅を見下ろせるスペースも設けてあります。
電車待ちの時間、しばしここで本を読んだり、
親子で新幹線を眺めたりする光景が目に浮かびます。
 
 
 
 
 
図書室の西側は駅の自由通路にもつながっています。
シースルーのオープンな空間なので、図書室だけでなく
さまざまな市民活動やイベントにも活用できそうです。
 
 
 
 
 
自由通路側から見た2階図書室
電車を降りて帰宅する人が気軽に立ち寄れる敷居の低さが感じられます。
 
 
 
 
 
3階の屋外スペースと吹き抜け。
吹き抜けを通して、1、2、3階が一体につながっています。
 
 
 
 
 
2、3階のオープンデッキ。
まちにおおらかに開いたオープンスペースです。
来年以降はツリー祭りのベストポジションにもなりそうです。
 
 
 
 
 
30年以上、停滞が続いてきた徳山駅前商店街、
紆余曲折を経てようやく完成した市民の居場所です。
 
交流の種として生まれたこの場所は
これから周南の市民力によって育てられていくことになります。
 

温泉とまちづくり、そして焼き鳥

長門市で開催されたJIA中国支部大会、
湯本温泉の活性化策を拝聴してきました。
 
手前にうっすらと見える白髪の紳士は名誉会長の出江寛氏、
カフェやライトアップなど新たに展開されるデザインに対し
京都のような陰翳や色気が必要や!と檄をとばされました。
 
 
 
 
 
夜は長門の名物、焼き鳥の店をハシゴ。
写真は老舗、こうもり。
 
長門はもともと養鶏が地場産業として根付き
焼き鳥の新鮮なネタがすぐに手に入るためか
小さな町にいくつもの焼き鳥屋が存在します。
そのどれもが低価格でかつおいしい!
子供からお年寄りまでが楽しめる、まさに長門のソウルフードです。
 
 
 
 
どれもとにかくウマいんですが、半熟に焼いたタマゴは逸品です!
 
まちづくりに話を戻すと、
湯本温泉では温泉街を流れる川と萩焼を軸に考えているそうですが
長門を語るなら新鮮な魚とこのやきとりも外せないでしょ!
 
偶然ご一緒した長門市まちづくり担当の元ラガーマンと
まちづくりからラグビー談義まで、とにかく盛り上がる長門の夜でした・・・
 
 

駅ビル工事現場見学3

           

8月に続いて行われた、駅ビル(周南市駅前図書館)の現場見学、
工事終盤を迎えた現場の状況をレポートします。
 
まずは、駅前広場とダイレクトにつながる1階部分。
一面、県産杉材による高い天井に黄色いボックスがアクセントカラーになっています。
 
 
 
 
1階は写真手前が物販スペース、奥にスターバックスが入り
駅前広場とダイレクトにつながります。
 
 
 
 
スターバックスのカウンター部分も形ができてきました。
今までまちなかになかった若者の集える溜まり場が生まれることになります。
 
 
 
 
2階への階段とエスカレーター。
側面の壁は全面本棚になるそうです。
 
 
 
 
2階の図書室の書架スペース。
書架は蔦屋カラーのダークブラウンで統一されています。
本棚が入って空間のイメージがかなりできあがってきました。
 
 
 
 
駅前広場に向けて部分的に書架が切り取られ、
外への広がりも意識されています。
 
 
 
 
写真奥は南北自由通路につながる出入口。
 
ここで電車待ちをしながらひと時を過ごしたり
電車で来た人が直接図書館に流れ込んできたりと
流動的で活気のあるまちの風景が想像されます。
 
 
 
 
 
2階、駅前広場側のオープンデッキ。
床は人工木材のデッキ材で仕上げられます。
 
今までのまちなかにはなかった、
空に開いた開放感のあるゆったりとしたスペースです。
 
 
 
 
南北自由通路を抜けた先の駅前風景。
ツリー祭りの際には絶好のビューポイントになりそうです。
 
きれいになる駅ビルを見習って、
駅前のまち並みもグレートアップされることを願います。
 
 
 
 
3階の会議室と図書室スペース。
ここまで上がってくると駅前広場への開放感がより感じられます。
 
ここでの活動は、外からガラス越しに見えることになり
図書館の活動がそのまま、まちのにぎわいを演出することになります。
 
 
 
 
3階の図書室には駅の新幹線側に窓が開いて
とても気持ちのいい場所になっています。
 
 
 
 
駅ビル外観夕景。
外部の手すりには1.8mピッチで照明が仕込まれて
完成すると美しいイルミネーションで駅前を彩ってくれるそうです。
 
本工事の完了までもう一息、オープンは来年2月3日です。
長年停滞が続いてきた周南のまちにとって
待望の、そしてとても貴重な「市民の居場所」が生まれます。
 
 
 

何気ない風景@福山本通商店街

早朝のまちなか風景
 
ややくたびれた感じの商店街、
歯抜けになった敷地が奥に二つ連続してできたまちのエアポケットです。
そしてその先に見える白いパラソルは・・・
 
 
 
 
 
その正体はこれ。
 
かつてはまちの中心商店街だった本通、時代の変化でシャッター通りが進行。
昨年、通りのアーケードを撤去し、四季を感じる居心地のよい空間に様変わりしました。
設計は地元の建築家、前田圭介氏
 
 
 
 
 
 
撤去されたアーケードの代わりに7000本のステンレスワイヤーが張られ
夜はライトアップで金色に光ります。
 
おそらく現実的な選択から電柱と電線は地中化せず露出していますが
無数のワイヤーはかすかなフィルターとなり、その風景をマイルドにしています。
 
 
 
庭のような居心地になるとカフェもまちに開かれ、
通りの雰囲気はさらによくなっていきます。
 
 
 
 
おそらく老舗のお茶屋さんですが
通り沿いに整備された緑が店を引き立てています。
 
 
 
朝早くから植栽に水やりをする人がいました。
「大変ですね」声をかけると、「大変だよ」と。
水やりは商店街の決まりなんだそうです。
 
緑は手入れしないとすぐ枯れてしまいます。
生き生きとした状態を保つには常に手入れが欠かせませんが
緑の状態を見れば、みんなが協力して維持しているのがわかります。
 
 
 
 
潤いのある緑、そしてベンチ。
居心地を生み出すための必須アイテムたちが
寂れかけたまちの復活をアシストしています。