思い起こす

東日本大震災から今日で6年、
この長い時間のなかで、少しずつですが、まちや建物の復興が進み、
目に見えるかたちが現れてきました。
 
「かたち」あるものはいつか壊れ、
壊れたものはまた新たな「かたち」に生まれ変わっていきます。
 
その一方で、
「かたち」をもたない、人の「こころ」はどのように変わっていったのか?
 
人間は忘れやすい生き物と言われます。
 
あの時思ったことを改めて思い起こし、それぞれの思いで未来に生かす。
そのための大切な日でもあります。
 
 
 
 

徳山駅ビル、構造見学

徳山駅前に建設中の交流施設
上屋のフレームが立ち上がり、建築士会の構造見学会が行われました。
 
 
 
 
入口で迎えてくれたのは超大型のクレーン。
こんな巨大な重機は普通の現場ではなかなかお目にかかれない。
 
 
 
 
1階、駅前広場側の大型庇。
約6mの跳ね出しで、建物と広場を緩やかにつなぎます。
 
 
 
 
庇の鉄骨ディテール。
跳ね出し先端が分厚くなって不恰好にならないように、
ビルドH(工場オーダーで加工したH鋼)で支えています。
 
 
 
 
1階室内空間、
天井高3.85mの細長い空間は全面、まちに開き、
まちと一体感を生み出します。
 
ここには図書館とともにカフェが併設され、
市民の様々な活動に開かれていくことになるでしょう。
 
 
 
 
2階、駅前広場側のオープンデッキ。
駅前広場を見下ろす奥行き6mのこの場所は
とてもおおらかで気持ちのいい空間になりそうです。
 
 
 
 
3階のセットバック部分を受ける段違いの梁。
 
駅前広場側に向かって段々畑のようにセットバックするこの建物、
広場に与える圧迫感を和らげ、まちの縁側のようなスペースを提供しますが
その分、構造の難易度が高くなります。
 
セットバックで2階の柱と3階の柱(左から2番目の梁の位置)がずれるため、
補強のため複雑なフレームになっています。
 
 
 
 
3階柱の根元を受ける梁とその接合部。
普通以上に大きな力のかかる部分なので構造も複雑ですが
この接合部をずれることなく水平垂直に組み立てることの大変さが想像されます。
 
 
 
 
梁継手のディテール。
右脇にプレートの左右位置を合わせるための補助アングルが付いています。
 
とにかくサイズが大きく重たい部材に対し、
高い精度を出すための現場の工夫が見て取れます。
 
 
 
 
3階のオープンデッキからの見下ろし。
段々畑のように徐々にセットバックしているのがわかります。
 
 
 
 
3階から見た御幸通り、そしてまちと山並み。
新しくてきれいになる駅ビルにならい、
広場やまち並みが調和する居心地のよい場所になっていくことが望まれます。
 
今回の見学で、建物の設計に込められたまちへの思い、
現場でも苦労や工夫の跡を垣間見ることができました。
 
出来上がってしまえば、誰も気づくことのないこれらの苦労ですが
完成後は、この施設をいかに生かし、大切にしていくか
今度は我々市民の力が試されることになります。
 
駅ビルは11月に完成、来年2月にオープン予定です。
 
 

徳山駅ビル、工事現場





DSC052454.jpg


徳山駅ビル、現場の状況です。

建築家の内藤廣さんが周南に来られました。
いつものようにまち塾メンバーとミーティング、
その後、ご厚意で現場を見学。(写真中央が内藤さん)




DSC052455.jpg


現在工事中の状況

一般の人にはなんでもない写真かもしれませんが
建築専門の人間にとってはなかなか見られない貴重な風景です。

見えているのは既存建物の地下部分で右手は徳山駅のホーム、
地下とは6mの高低差があり地下の壁が崩れれば線路もろとも崩落するため
水平の切梁(赤い鉄骨)で地下の壁を突っ張って支えています。
右側のコンクリートフレームの残骸も壁を支えるのに活用されています。

工事が始まったのに一向に姿が見えないと思っている方も多いようですが
鉄道運行に万全を期しながら、慎重に慎重に解体が進められています。



米子のまちづくりから




DSC052322.jpg

日帰りで米子のまちづくり活動を視察しました。
空き店舗が目立つ駅前の商店街は人通りもまばら、
地方都市共通の週末風景です。




DSC052323.jpg

その空き店舗のひとつがリニューアルされ
地域活動の拠点やゲストハウスとして生まれ変わりました。
町家な風情はそのままに、開放的な雰囲気がまちにつながっています。



DSC052325.jpg

路地に面したレンタルスペースはカフェのような雰囲気
自治会やNPOによる地域に密着した活動が行われています。




DSC052329.jpg

視察中に偶然やってきた関東からのバックパッカー。
中国地方を旅し、この日はこのゲストハウスに宿泊するのだと。



DSC052326.jpg

今回、説明していただいた米子建築塾の活動拠点
こちらも空き店舗を活用し、ワークショップやセミナーなど
地域に開いた活動を継続的に行っています。




DSC052327.jpg

古い蔵をリノベして生まれ変わった商業施設、
商都として栄えた米子の文化財を大切に生かしています。
右手階段奥にあるカフェで豆の味にこだわったドリップコーヒーを賞味。





DSC052328.jpg

築90年の町家を改修した女子学生用のシェアハウス。
これらは市街地におけるとてもささやかなアクションですが
生気を失いかけていたまちに新たな息吹を吹き込んでいます。

地方都市の中心市街地はどこも瀕死の状態で
およそ、まちが復活するなどと想像するのも困難なほどです。
それは、現代生活の利便性や自由度に対応できなくなった市街地共通の課題です。

しかし、世の中の価値は必ずしも利便性や自由度だけでは完結しません。
それらがカバーできない古くて新しい価値を見出す若者たちの胎動も感じました。
そして、その活動を地道にサポートする建築士たちが存在していました。

決して他人事にせず、地域を大切に紡いでいこうとする精神、
そこには、日頃世の中では語られない多くの気づきがありました。



誰かのために

 
 
 
DSC052320.jpg
 
かさ上げ工事が始まった頃の陸前高田市、3年前の光景です。
 
 
震災から5年、この時間に我々は何を学んだでしょうか?
 
あのとき、人と人のつながりを強く意識しました。
しかし、5年経った今、「公」や「共」の力は薄まり、個の拡散が止まりません。
新たなつながりが生まれる一方で、世の中の寛容さが弱っています。
 
誰かのせいにして生きるより、誰かのためになることを目指す。
そのことを意識して前へ進みます。
 

内藤廣さんの講演会




DSC052047.jpg


新しい駅ビルの説明をする内藤さん。

内藤廣さんの講演会が行われました。
これからの公共空間とまちづくりについて講演いただき
後半は、まち塾を代表して村越さんと私を交えたフリートーク。

内藤さん曰く、面倒な私(笑)ですが、
思いのほか、まじめなトークになりました。

まちづくりの課題は建築の枠を超えて広がっていて
改めて当事者のセンスが問われそうです。


幸せなまち並み




DSC052012.jpg


プランツアソシエイツ設計のTPU Building、
土曜日に行われたオープンハウスに伺いました。

新山口駅の駅前に面したオフィスとオーナー住居の複合建築で
駅前広場整備のため、移転建て替えされました。

これから新しく生まれ変わる新山口の駅前広場、
それを一望できる開放的なガラス張りの明るい空間と
プライバシーを守り、デザインにも貢献するルーバーが特徴です。

駅前広場も同じ設計事務所によって設計されており
これから整備される駅前と一体感のある幸せなまち並みとなりそうです。

無事終了




DSC051906.jpg


学生たちの居場所になっています。(FBからの抜粋)
今まで商店街では起こらなかったことが、このウッドデッキから生まれました。
(詳しくはこちら https://www.facebook.com/parktownstreet )

社会実験は台風の影響もさほどでもなく
おおむね晴天に恵まれて無事終了しました。
まちにお越しになった方、ありがとうございました。

当たり前のことですが、
まちは私たちボランティアが変えるのではありません。
私たちができるのは、そのお手伝いに過ぎません。

まちを良くするのも悪くするのも市民の行動次第。
誰かに任せたり、誰かのせいにする前に
これからも、清き行動をぜひ!