HM養成講座、防府 英雲荘にて

防府市の英雲荘で行われた
HM(ヘリテージマネージャー)養成講座に参加しました。
 
英雲荘は江戸時代、毛利家の別邸として建てられた屋敷です。
なかなか質がよいとの噂は聞いていたのですが
その噂に違わず、デザイン、品格、施工の質もかなり高く
防府市によって、大切に維持されています。
 
 
 
 
 
広間は手前の主庭と奥の庭につながる
内外が融合する気持ちのいい空間です。
 
 
 
 
矩折りに曲がる内縁はすべて開閉可能な引戸で
美しい陰影をもった流動性の高い空間です。
 
 
 
 
講座は離れの花月楼にて
なんだか寺子屋の風情です。
 
座学では、防府の文化財行政の動向と山口県東部の文化財について
知識と次代へ生かすための事例などを学びました。
 
 
 
 
午後は実習として花月楼を実測調査、
3〜4人一組で建物の間取りを描き、柱や壁の位置や寸法を実測。
 
 
 
 
調査結果を書き込んだ平面図の一例。
間取り図に対し、縦横の寸法を色分けしたわかりやすいものです。
 
古い建物を生かしていく動きは今後ますます重要度が高まるでしょう。
その上で、今回の実習もとても有益な経験となりました。
 
 

室積のフォトスタジオ、外観スタディ

室積のフォトスタジオ、
外観デザインをスタディ模型にて検討中。
 
ワイルドでクールなインテリアのご要望にマッチするよう
外観を微調整。
 
庇はスチールPLによる薄さでシャープに引き締めつつ、
ハードな質感を加えています。
 
CGも手軽でいいですが、
模型によるスタディは、より陰影と奥行きがリアルに感じられます。
 

内と外をつなぐ

徳山高専で教えている建築デザイン概論、
今日の授業のテーマは「つなぐ」
 
一言で「つなぐ」といっても、
建築には様々な「つなぐ」が存在します。
 
そのうちの一つが「内と外をつなぐ」です。
 
深い軒や庇、縁側など
日本には古来から独自の建築文化として内外をつなぐ手法が育まれてきました。
 
上の図は平安時代の寝殿造りの平面図。
緑色の庭(自然)に対し、各部屋(茶色)が分棟で建てられ
それを屋根付きの廊下や縁側(黄色)でつないでいます。
 
部屋にいても、部屋と部屋を移動しても、常に家の外の庭とつながっています。
 
 
 
 
 
 
 
こちらは、京都にある仁和寺の回廊部分
寝殿造りの形態を今に伝える空間です。
 
建物の内と外が交わっていて
実際に回廊を巡ってみると、その豊かな空間を実感できるんですよ。
 
 
 
 
 
こちらは永観堂
深い軒下と縁側を通して、おおらかに庭とつながっています。
 
 
 
 
 
圓光寺の軒下空間
こちらも間口いっぱいに庭とつながっています。
 
 
 
 
 
東本願寺、渉成園にある「蘆菴」
 
建具を取り払うと、もはや内外の境がなくなる
実に気持ちのいい空間です。
 
 
 
 
 
 
変り種はこちら、岡山、後楽園の流店
究極の吹きさらし空間です。
 
 
 
 
 
しかも、建物の中に池からの水を引き込み、
内と外が入れ子のような独特な空間を作っています。
 
これらは、みな古い建物ですが
発想はむしろ斬新で、現代の建築以上に粋なデザインです。
 
内と外をつなぐ日本独自の建築文化、
これからの建築にも大切に生かしていきたいデザインです。
 
 

萩の家、提案

高杉晋作の生家もほど近い、
伝建地区に接する歴史地区での新築の提案です。
 
南北に細長い100坪ほどの敷地に対し、建物をT字型に配置し
敷地の広さを生かし、南に主庭、伝建地区に面する北側通り側に後ろ庭を確保。
前後の庭の間にリビングを配し、庭への広がりをつくっています。
 
後ろ庭によって、通りからの奥行きをつくることによって
通りにとっても落ち着いた環境を提供しています。
 
 
 
 
 
主庭側から見た外観。
 
形態は、萩のまち並みとの調和を図り、
瓦屋根の切妻による組合せや軒下空間など、日本的な要素でアレンジ。
 
L字に開く住まいの各部屋が主庭との関係をつくり
庭を通してまち並みにもゆるやかにつながる落ち着いた環境としています。
 
 
 

秋穂東の家、残工事確認2

 
寝室へと伸びる中廊下(右手がリビング、左が階段と水回り)
玄関から角を曲がると、ガラッと場面が展開します。
 
もともと現しだった柱や板張りの天井など、和のテイストだったところ、
それらを白いフィルターによって等質化。
 
古い家の灰汁(アク)を取り、
記憶の出汁(ダシ)を純化し、薄味にして抽出しています。
 
和だった空間は懐かしさをともない、ちょっとフレンチな雰囲気です。
 
 

秋穂東の家、残工事確認

 

 
 
 お引越しから2週間、
手直しや残工事の確認に行ってきました。
 
慌しかった現場の状況が長く続きましたが
少しずつ、暮らしの落ち着きが訪れているようです。
 
 
 
 
 
 
濱中史朗さんの花瓶に花が生けられ、
家とともに新旧の歴史が溶け合う味わいです。
 
 
 

何気ない風景@川棚の杜

川棚温泉にあるコルトーホール、
そこで開催されている堀尾寛太さんの展覧会を見てきました。
 
作品が展示してあるバックヤードツアーにも参加、
日頃は入れない建物の機械室や倉庫などを案内いただき
ダクトや電気ケーブルと同化したような作品を見学。
 
その際、この建物のちょっとしたトリビアも教わりました。
 
 
 
 
 
それがこれ、
建物の真ん中にある、敷地裏側に抜ける通路(丸で囲ったところ)
 
この建物や舗装された道路がまだなかった時代、
この場所には、写真左の先にある神社や霊場への参道があったそうです。
 
その参道のルートを残すべく、作られたのがこのパスだそうです。
 
 
 
 
 
学芸員さんの説明にもとづいて
敷地裏にあたる手前の温泉街から参道を歩いてみました。
 
 
 
 
 
途中で右に折れて小道に入ると
住宅街の奥に宇宙船のようなホールの建物が出現!
 
 
 
 
瓦屋根と造形的なボリュームの取合せが秀逸。
 
 
 
 
 
さらに歩くとホールの裏側に開いた穴にたどり着きます。
見た目にはまったく神々しくない・・・?
 
 
 
 
 
穴の中に進むと表側へ上がる階段が見えてきました。
 
このバックヤード、
なんとも緊張感のない何気なさですが
逆にここが歴史上の参道であることの謎を深めているような・・・
 
 
 
 
 
 
階段を上がると表通りへ
道路の向こう側に神社へ上がる坂道が見えてきました(矢印部分)
 
 
 
 
 
道路側からの見返し
ホール側の階段から道路をまたいで神社に至る坂
 
 
 
 
坂道を進むと境内に上がる石段が現れます。
 
目には見えないけれど、確かに存在する神様への敬意、
それは、ゲニウス・ロキを感じるような不思議体験です。
 
堀尾さんの作品とともに2倍楽しめる川棚の杜でした。
 
 

フォトスタジオ、第1案

室積のフォトスタジオ、外観デザインのスタディ。
 
まちのスケールに合わせて分割したボリュームを雁行配置、
建物本体の他、庇や壁柱などを抽象的な形態で構成。
ロードサイドのまち並みに緊張感を生み出そうとしています。
 

秋穂東の家、お引き渡し

秋穂東の家、玄関から改修部分を見たところ
 
養生がはずされ、ようやく生まれ変わった家が姿を現しました。
玄関は既存の木部を生かし、床や壁のみ仕上げ直しています。
 
仕上工事がお引越しギリギリまでかかりましたが
なんとか、今日お引渡しとなりました。
 
 

城ケ丘の家2、スタディ

城ケ丘の家2、模型にて空間スタディ中。
 
リビングと個室がデッキスペースを介して南庭に広がっていく
開放感のある平面構成です。
 
今回も軒を深くした室内と一体感のあるデッキスペース、
 空間のつながりや軒の高さなど、心地よい寸法を探っていきます。