櫛ヶ浜の家、内外装工事

櫛ヶ浜の家、既存棟と増築棟のそれぞれに工事が進んでいます。
 
既存棟道路側の屋根、
破風を漆喰で塗り込んだ姿は改修前の意匠を引き継いでいます。
 
 
 
 
下野の屋根、水切り瓦の継ぎ目も改修前の姿に合わせ
ひとつひとつ漆喰で固めています。
 
 
 
 
玄関引戸のサッシュ枠がようやくはまりました。
 
準防火地域に対応した4枚引戸の防火窓はないのですが
町屋らしい間口広さを生かすため、防火袖壁とサッシュラインのセットバックで
延焼ラインをかわし、なんとか元の意匠と機能を両立しています。
 
 
 
 
 
既存棟から増築棟への渡り廊下。
 
ほの暗い既存棟から明るい空間へ
まるで100年ほどの時間をタイムスリップする気分です。
 
 
 
 
敷地両側に隣家が迫る密集市街地ですが
思いのほか、光が差し込む明るいリビングになっています。
 
 
 
 
 
天窓付きのキッチンも明るく、窮屈さを感じさせません。
 
 
 
 
増築棟西側外観。
増築棟はダークブラウンの波板張り。
その奥には既存棟の2階屋根が垣間見えています。
 
完成までもう一息、残工事が進んでいます。
 

内田さん、大津島の魅力語る

コミュニティFM、渋谷のラジオ
月曜放送の代官山アートストリートに内田鋼一さんが登場、
番組後半で大津島のプロジェクトについて触れています。(視聴はこちらから)
 
潜在力を秘めた大津島の魅力を内田さんの審美眼で語ってくれました。
今後の展開が楽しみです!
 
 

生野屋の家、地盤調査

生野屋の家の敷地にて地盤調査を行いました。
 
もともと畑地で道路際には2m近くの擁壁もあり、
地盤の状態によっては地盤改良の可能性もありますが、
まずは調査結果を見極めます。
 
広々とした畑地に建つ小さな平屋の家、
11月後半の着工を目指しています。
 
 
 

駅ビル工事現場見学3

           

8月に続いて行われた、駅ビル(周南市駅前図書館)の現場見学、
工事終盤を迎えた現場の状況をレポートします。
 
まずは、駅前広場とダイレクトにつながる1階部分。
一面、県産杉材による高い天井に黄色いボックスがアクセントカラーになっています。
 
 
 
 
1階は写真手前が物販スペース、奥にスターバックスが入り
駅前広場とダイレクトにつながります。
 
 
 
 
スターバックスのカウンター部分も形ができてきました。
今までまちなかになかった若者の集える溜まり場が生まれることになります。
 
 
 
 
2階への階段とエスカレーター。
側面の壁は全面本棚になるそうです。
 
 
 
 
2階の図書室の書架スペース。
書架は蔦屋カラーのダークブラウンで統一されています。
本棚が入って空間のイメージがかなりできあがってきました。
 
 
 
 
駅前広場に向けて部分的に書架が切り取られ、
外への広がりも意識されています。
 
 
 
 
写真奥は南北自由通路につながる出入口。
 
ここで電車待ちをしながらひと時を過ごしたり
電車で来た人が直接図書館に流れ込んできたりと
流動的で活気のあるまちの風景が想像されます。
 
 
 
 
 
2階、駅前広場側のオープンデッキ。
床は人工木材のデッキ材で仕上げられます。
 
今までのまちなかにはなかった、
空に開いた開放感のあるゆったりとしたスペースです。
 
 
 
 
南北自由通路を抜けた先の駅前風景。
ツリー祭りの際には絶好のビューポイントになりそうです。
 
きれいになる駅ビルを見習って、
駅前のまち並みもグレートアップされることを願います。
 
 
 
 
3階の会議室と図書室スペース。
ここまで上がってくると駅前広場への開放感がより感じられます。
 
ここでの活動は、外からガラス越しに見えることになり
図書館の活動がそのまま、まちのにぎわいを演出することになります。
 
 
 
 
3階の図書室には駅の新幹線側に窓が開いて
とても気持ちのいい場所になっています。
 
 
 
 
駅ビル外観夕景。
外部の手すりには1.8mピッチで照明が仕込まれて
完成すると美しいイルミネーションで駅前を彩ってくれるそうです。
 
本工事の完了までもう一息、オープンは来年2月3日です。
長年停滞が続いてきた周南のまちにとって
待望の、そしてとても貴重な「市民の居場所」が生まれます。
 
 
 

週末連載 台湾41

迪化街の目抜き通り
整然とした低層のまち並みは日本統治時代に整備されたもの。
 
賑やかな色の袖看板が今も変わらぬ活気を物語りますが
1970年代の道路拡張計画で消滅する危機もあったといいます。
 
それに対し、台湾大学の教授や市民団体が反対運動を展開、
容積率の移転という台湾初の裏ワザによってこのまち並みの保存に成功。
まさに知性と感性の勝利です!
 
 
 
 
 
建物の足元部分は以前にも触れた亭子脚が連続して
商業空間の賑わいに貢献しています。
 
 
 
 
 
石づくりの西洋建築をモルタルやタイルで読み直したファサードは
文化の混交の奥深さを今に伝えています。
 
 
 

 
 
 
 

夏の高野山12

福智院にある重森三玲作の三つの庭、
こちらは本尊、愛染明王の名を冠した愛染庭。
 
山門から本堂へ貫かれたまっすぐな軸線、
右にサツキの刈り込みと石組、左に幾何学的な縁取りと砂紋のコンポジションで
伝統とモダンが対峙しています。
 
 
 
 
幾何学的なグリッドには3色の砂が配されて区割りされつつ
砂紋の流れが連続する二層構造です。
 
 
 
中央広間に面した登仙庭
 
奥に蓬莱山、手前の池泉に鶴島亀島を配した伝統的な構成ながら
うねる曲線は重森独自の大胆な表情。
 
 
 
ちなみに今回、庭奥に見える部屋に宿泊、
1日を通してこの庭とともに過ごす至福の時間を堪能。
 
 
 
手前の鶴島、サツキの刈り込み、そして奥に杉林。
近景、中景、遠景の基本構成にも独自の表現が迷いなく表現されています。
 
 
 
 
 
四方を客殿に囲われた蓬莱遊仙庭
 白砂と赤砂の二色による大波の激しい表情と石組の構成
 
 
 
 
まるで二つの波が激しくぶつかり合う様を見ているようです。
感情の起伏、意思の強度がダイレクトに伝わってきます。
 
 
 
 
 
もはや美醜の境さえも超えた感のある表現。
 
 
永遠のモダンを探求した重森三玲の庭、
伝統に対する攻守の葛藤から生まれる創造性が大きな勇気を与えてくれました。
 
 

週末連載 台湾40

真っ赤な丸提灯とアールデコ様式のビル
 
迪化街にやってきました。
このまちの歴史は古く、19世紀の清朝時代に貿易のための商店や問屋街が開かれ
日本統治時代、戦後の中国統治を経て、現在は観光地としても賑わいを見せています。
 
その繁栄の歴史は、必ずしも直線的なものではなく
中国や日本、日本を経由して移入された西洋の文化などが
まるで積層したケーキの断面のような風景として見えてきます。
 
 
 

夏の高野山11

石庭に描かれた砂紋、
大柄にして大胆で、力強い曲線を描いています。
 
 
 
 
折り返してうねる曲線
 
 
 
 
 
こんな波紋の模様も・・・
 
 
 
 
 
こちらがその石庭のある寺院、福智院。
 
この宿坊には重森三玲が最晩年にデザインした三つの庭があります。
今回は高野山と共に重森三玲の世界も堪能します。
 
 

夏の高野山10

金剛峯寺の石庭、蟠龍庭
 
幅の狭い渡り廊下を通り抜けた先に現れるこの景色。
白砂の砂紋が広がる中、脇に据えられた石が余白を豊かにしています。
 
 
 
 
砂紋と砂紋が直交するポイント
 
意匠上、どちらを勝たすか、線をどう止めるか
広々とした庭の中にも細部のこだわりが存在しています。
 
 

夏の高野山9

高野山真言宗の総本山、金剛峯寺
 
表門へのアプローチはとても穏やかで
太鼓橋の円弧は浅く、階段の勾配もとても緩くつくられています。
 
威厳よりも寛大さがにじみ出るようなこの空間は
すべての衆生を受け止める空海の哲学をそのまま表しているようです。
 
 
 
 
 
境内東側にある会下門の手前からの見たアプローチ見返し。
 
掃き清められた地面に朝日が落とす杉木立の淡い影。
実に清らかな時空間がただよっています。
 
 
 
 
杉木立に囲まれた境内は、逆に土の地面が広がるのみ。
入母屋の重厚な寺院に対し、かぎりなく「無」に近い余白が広がっていて
何もないはずのこの空間に、何故かこころをやすらかにする力を感じます。