エコ、してますか?

東京の21_21 DESIGN SIGHTで行われている「セカンドネイチャー」展。

そこに、吉岡徳仁の『ヴィーナス-結晶の椅子』が出品されています。

結晶が成長して形成されてできるそのプロセスを自然の原理として追及しています。

 

インテリアデザイナーの倉俣史朗やファッションデザイナーの三宅一生に師事し

独自の感性を磨き上げて、今では世界屈指のデザイナーへと成長した吉岡氏。

 

わたしは、

かつて東京の北山孝二郎氏のもとで仕事をしていた際に一度だけお見かけしたことがあります。

当時、わたしが三宅一生氏のオフィスの設計を担当していた時

インテリアの壁の色を決める際に三宅氏が紹介したのが吉岡氏でした。

彼は、「こんな感じの壁にしてください」と言って鮮やかな黄色と黄緑色の布の端切れをもってきました。

壁は白、というのが当時の事務所のスタンダードだったところに

鮮やかな色で、かつ紙の色見本ではなく、表情豊かな布地の見本を出してきたときの斬新さを

今もはっきりと記憶しています。

 

今回の「セカンドネイチャー」展の作品について彼はこう言っています。

 

「エコロジーということだけではなく、自然の美しさを再確認して、自然の力を使って未来をつくりたい」

 

この言葉には、環境問題を対処療法的に捉えるのではなく

自然そのものを本質的に捉えることで未来を志向していくという

彼独自の鋭く、かつしなやかな感性が現れています。

 

この視点は、我々が関わる家にも置き換えることができそうです。

考えてみると、

最近の住宅のエコロジーといえば、ハードや設備ばかりがにぎやかで

人間としての自然との付き合い方がないがしろになっているような気がします。

太陽光発電やエコキュート、省エネ型の照明や外断熱。

これらは、エネルギーの使い方から発想されたもので決して悪いものではないですが

これで自然を大切にしたことになるのかというと何か違和感が残ります。

これらを重装備した家なんて、逆にメチャメチャ不自然なかんじがします。

 

寒いときは寒い、暑いときは暑いと感じることの豊かさを忘れてしまったら

人間がどんどん退化していくのではないかと私は思うのです。

 

話は飛びますが、

大津島の待合所は経費の関係でエアコンは付いていません。

けれども、夏は風通しが抜群で、冬場は東と南からの太陽の日差しでとても暖かいと聞きました。