岡山芸術交流3

 
 
 
 
DSC052580.jpg
 
岡山のまちなかに宇宙からの飛行物体が落下!
駐車場の舗装の割れ方が落下の凄まじさを物語っています。
 
 
 
 
DSC052581.jpg
 
そうではなくて、あくまでフィクション。
作品のタイトルは「編集は高くつくので」、ライアン・ガンダーの作品です。
 
異次元から飛来したとの設定ということですが
それにしても徹底した表現、本気度満々です。
 
美術館を飛び出して、現実のまちを舞台にした表現に
スケールとリアリティがあふれています。
 
 
 
 
DSC052582.jpg
 
午前中いっぱい見て回ったところで、近くに見つけたカフェにイン。
 
古い町家を改修したようですが、
後楽園に近いこのエリアは古くからの風情に新しいセンスが加わって
街並みに味わいが増しています。
 
 
 
 
DSC052583.jpg
 
窓越しに旭川と後楽園にかかる橋、そして青空、
眺めがよく、とても落ち着けるお店です。
 
ここで一服した後、後楽園から岡山城へ
後半戦に臨みます。
 
 
 
 

岡山芸術交流2

 
 
 
 
DSC052577.jpg
 
岡山県天神山文化プラザ
 
こちらも作品の展示会場になっています。
建物の設計はル・コルビュジエの弟子でもある前川國男。
 
 
 
 
DSC052578.jpg
 
現代アートもさることながら、この建築にもパワーがあります。
 
現代のように、石やガラス、金属パネルなど仕上材の選択肢が少ない時代に
コンクリートの打放しだけによる見事なまでのデザインと施工精度です。
 
コンクリートの量塊を水平、垂直に分割してメリハリをつけ
壁の奥行きを深くとって陰影のある表情豊かな姿に仕立てています。
 
コンクリートとは思えないほどの細い壁、
そのエッジは剃刀のようにとんがってシャープな姿を見せていて
建築家の表現にかける思いの厳しさが伝わってきます。
 
 
 
DSC052579.jpg
 
入口部分のピロティ空間
 
黄色に塗られた天井に目が行きますが
よく見ると天井のボードの割付にも工夫が見られます。
床のレンガタイルのパターンといい、漫然とデザインをしていないことがわかります。
建築のあらゆるところで、ひとつたりともおろそかにせず、徹底的に考え抜く。
この建築にて、改めて前川の凄みを感じ入りました。
 
 
 
 

岡山芸術交流1

 
 
 
 
DSC052571.jpg
 
週末、岡山に行ってきました。
 
今回の目的は、ずばり現代アート。
直島を中心にした瀬戸内国際芸術祭など、
最近中国地方に芽吹き始めたアートな息吹が岡山にも広がりを見せています。
 
岡山市でも、10/9 〜11/27まで現代アートの交流イベントが開催されました。
岡山城や後楽園のある旧城下町エリアの屋外や美術館、学校跡などに
16カ国、31組のアーティストによる作品が点在しています。
 
 
 
 
DSC052572.jpg
 
最初に訪れたオリエント美術館、
ロバート・バリーによるインスタレーション「Wire sculpture with ring」
吹き抜け空間の中空に小さなリングが3本のワイヤーで固定されています。
 
最高裁判所の設計で知られる岡田信一郎による吹き抜け空間、
その重厚で強い空間に比べると取るに足らないほどの弱々しいの存在ですが、
空間の重心を捉えて、目には見えない秩序と間を生み出しているようにも感じます。
 
 
 
 
DSC052573.jpg
 
ホセ・レオン・セリーヨの 「Place occupied by zero」
 
中間一貫校だった旧後楽園天神校舎跡の教室を使ったインスタレーション
既存空間にはまったく手を加えず、その生々しい空間の秩序と質感の中に
無関係のディメンションがダイレクトに挿入されるという大胆な構成。
 
既成の空間とのコントラストがとても鮮やかで、
リアルな場の概念に生まれる揺らぎが興味深い。
 
 
 
 
DSC052574.jpg
 
リアム・ギリックによる 「Development」
 
学校の校庭に現れたパターゴルフ場!
実際にゴルフをすることができる体験型のアートです。
 
グラフィックにレイアウトされたコースには傾斜や曲がりなどがあって意外と集中、
自然とアートの世界にのめり込んでしまいました。
 
 
 
 
DSC052575.jpg
 
下道基行の「14歳と世界の境」
空き家になった教室に作品がダイレクトに置かれています。
 
美術館のホワイトボックスとは違い、窓の外に岡山の街が広がるリアルな場と
アートがダイレクトにつながって生み出されるスリリングな空間です。
 
 
 
DSC052576.jpg
 
渡り廊下の窓ガラスに書かれた文章
 
ここでも既存の校舎とアート作品がダイレクトに並置されて
ものすごくリアルで刺激的な空間が現れています。
 
ビジュアル的にも、窓越しに見える街と青空、
そこに重なるグラフィックの文字が生み出す世界がとても美しい。
 
日常の建築が失いかけているパワーや概念を呼び起こしてくれるこのイベント、
刺激的な体験を引き続きレポートしていきます。
 
 
 
 
 

直線のコンポジション





DSC052568.jpg

神勝寺一来亭、座敷の風景

本堂から脇道を下りて行った木立の中にある一来亭。
千利休が建てた茶室を中村昌生氏の設計で復元したものです。

屋敷の座敷部分にもさりげないデザインが施されています。
畳割と縁の線、柱や鴨居の軸組、壁の素材、腰張りや襖の配色や比率、障子や天井のライン。

直線のみで構成された空間は一見あっさりとした印象ですが、
決して単調ではなく、十分に抑揚が感じられます。

週末連載 台湾21





DSC052565.jpg

繁華街の中にある永康公園

真ん中の遊具で遊ぶ子供たち、
それを遠目に見ながらベンチでくつろぐ大人たち。
とても穏やかな風景です。

周囲に柵がなく、まちと連続して開放感があり
豊かな緑が茂ってとてもヒューマンスケール、
公園の外周がベンチ状になっていて、くつろげる仕掛けが充実、
子供にも大人にも居心地のいい空間になっています。

一見、日本の公園と差がなさそうですが、
管理する側から発想する日本のようなよそよそしさはなく
使う側から考えて作られていることが実際のくつろぎに現れています。

さらに、この公園の形状が居心地に大きく効いています。



DSC052567.jpg

航空写真で見ると、公園は変形の三角形になっています。

広さ900坪弱の小さな公園ですが
真四角の堅苦しさがなく、動きと変化、そしてパースが効いておおらかです。

中国ではシンメトリーで強いデザインが好まれますが
同じ民族でも、ここはその場の状況に委ねたデザインになっています。

やわらかく、さりげない雰囲気になっているところが
日本人の心に響いてくるのかもしれません。




引き算のスタディ




DSC052564.jpg


密集地域の中古住宅でのリノベーション計画

とりとめのない間取り、雑然とした仕上げを一旦整理し、
建物中央の階段をクローズアップする計画です。

耐震補強が必要なため、柱やブレースに囲まれていますが
可能な限り余材を引き算しながら、風景をつくるべくスタディ中。



鐘楼門




DSC052561.jpg


神勝寺の本堂へ向かう途中にある鐘楼門

門は本来、場所を仕切る機能を持っていますが
この門には扉がありません。
また、門の両脇も通り抜け可能になっています。

解説によると、
一切衆生が仏門に入ることを拒まない仏の大慈悲心を表すとされています。

ここから世界が変わることを表していながら
向こうとこちら側が限りなく繋がっています。

場所のもつ意味が変わっても、物理的には連続していくという
実に気持ちよく、興味深い空間性をもっています。


週末連載 台湾20





DSC052558.jpg

茶藝館、回留の店内風景

通りに面した開放的なつくりですが、
照明を抑えた空間は少しほの暗く、とても落ち着けます。




DSC052559.jpg

こちらは小上がりの床座、靴を脱ぎ、さらにくつろいだ雰囲気になります。




DSC052560.jpg

いただいた烏龍茶
基本的な作法はありますが、日本の茶道ほどの堅苦しさはありません。

リラックスできる空間で穏やかな時間を過ごせる台湾の茶藝館、
なかなかのクオリティーで、病みつきになりそうです。


賞心庭





DSC052556.jpg

神勝寺の境内に広がる賞心庭

山中の広大な敷地を切り開いて建立された神勝寺、
谷筋の地形を生かした池泉回遊式の庭園が広がっています。




DSC052557.jpg


山の自然と庭園、建築が調和し、伝統的な日本の風景を体現しています。
京都から遠く離れた福山市の山中にこの風景が存在することに驚きます。